そんな松本に今週復調の兆しが見えた。最終日は首位と3打差からのスタート。フロントナインを3バーディ、ノーボギーで折り返すと、後半も幸先よく10番をバーディとした。一時は首位タイに並んだものの、12番で痛恨のボギー。このままズルズルと後退するかと思われたが、終盤の15番、17番をバーディとして、最終18番ホールでは林に打ち込むピンチからのスーパーパーセーブを見せた。優勝には届かなかったが、通算11アンダーの6位タイは数字以上に満足できるゴルフだったと言える。
怪我の原因になったかどうかは不明だが、当時の松本はスイング改造に取り組んでいた。安定して、ボールをコントロールできるように運ぶようなイメージで打てるフェードを習得しようとしていた。それが全くマッチしなかった。松本曰く、独学でやっていたためやり方が合っていたかどうかはわからない。ただ、元々の体の動き方がそのスイングには合っていなかったと振り返る。
元々のスイングに戻し、ヘッドスピードも速くなり、落ちていた飛距離も取り戻した。懸念点は腰に負担がかかることだが、そこはトレーニングなどで補うと決めて、今は自分に合ったスイングと向き合っている。
不振だったときに何が一番辛かったかと尋ねたら「練習ができないことです」と松本。元々、練習量で調子を上げていくタイプなだけに、やりたくてもできない歯痒さが精神的にも辛かったに違いない。
苦しみ抜いた2年を取り戻すきっかけを今週は掴んだ。今シーズンの松本の残り試合が楽しみになってきた。