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Hitachi 3Tours Championship 2024

シニアのPGAさんは全ゴルファーのお手本です

今年のシニアのPGAツアーの面々は、6人合わせて通算74勝。
うちレギュラーツアーの歴代賞金王は、伊澤(01年、03年)、片山(00年、04年から3年連続、08年)、藤田(2014年)の3人。

生涯獲得賞金は、6人合わせて66億円超。
まぎれもなく史上最強、と前評判が高かった。

本人たちにもひそかに自覚はあり、「これで勝てなければ一生勝てないね」というくらいの覚悟で臨んでいたそうだ。


    それだけに、前半のフォアサム競技を、男子のJGTOに1点差をつける8点の1位で折り返していながら最後、前半最下位の女子のLPGAさんに6点差の15点で逆転の3位に沈んだことには、落胆も大きかったと思うが、「予想外は前半の出来。なにかシニアらしいな、なんて。後半体力持たないんじゃないかとか、1回休むとダメなんだよねとか、慰め合っておりました」と、シニアキャプテンの藤田。

    敗戦の弁も、なにかシニアらしいが、それでも前半のシニアの勢いは素晴らしかった。



    特に第1組の伊澤&増田ペアは、4番からの4連続を含む7バーディの「30」。
    断トツの7アンダーで、勝ち点をむしり獲った。

    片山&藤田ペアの前半6アンダーの「31」も秀逸。6番でホールインワンかと見まがう藤田のティショットや、9番の片山のバンカーショットなど。
    「シニアの皆さんは飛距離も出るし小技もすごい」(幡地)と、もう見慣れているはずのJGTOの面々も改めて驚嘆。

    強烈な前後2組に挟まれて、「参った。参りました」などと、なぜか味方チームに降参し、「僕らはまっすぐ飛んでと神頼み」などと、自身の調子の悪さを嘆く兼本&平塚ペアもまた味わい深く、「でも、ある意味僕ら一緒でよかったね。ほかの調子のよい人に迷惑をかけずに済みましたよね」(平塚)などと慰め合う様子も、ほほえましかった。

    今年からPGAさんの公式戦「日本プロシニア」の冠スポンサーになられた円谷プロダクションの代表作「ウルトラマン」に扮した開会セレモニーも楽しく、子どもたちへのチャリティを目的とした本大会で、今年もクリスマスプレゼントのお菓子を配って歩いていた、ものすごく強くて、ものすごく優しいシニアの面々。



      2年連続賞金王の宮本は先週金曜まで、米シニアツアーの予選会で戦い、兄弟子の藤田は来季の同ツアーカードを取得済み。
      片山もまた来季は海外シニアに打って出る計画という。
      「我々シニアは正直、優勝できるって誰も思っていません」と、開会式の代表挨拶でマイクの前に立った藤田。




          「しかし、50を超えても頑張っている姿。これもなかなか美しい。応援、よろしくお願いします」。
          シニアのPGAは、勝っても負けても全ゴルファーのお手本だ。