もっとも、前日2日目は「ちょっと翻弄された」と、6つバーディの代わりにボギーも3つ叩いた。
しかし「きょうはちょっと大きいかな、というのが風に助けられたりとか、味方してくれた」と、7メートルを沈めた2番から3連続バーディ。
9番アイアンで狙った3番のパー3は、70センチとべたピンだった。
最も風が舞った5、6、7番をしのぎ続けて8番では右6メートルのチャンスも決まった。
「今日のターニングポイント」と、話す11番では2打目が左のラフから出すだけとなったが、寄せて1パットのパー。
さらに12、14、15番と伸ばしてボギーなしで回り切り、2位と2打差の単独トップで入った最終日最終組は、「プロゴルフ人生で初めての経験」だ。
「明日は緊張もするだろうし、いつもどおりには絶対できない」と、今から予想はつく。
「でも変に意識せず、緊張するなら思い切り緊張して、雰囲気を楽しんで、気持ちでは絶対に負けないぞ、という気持ちで明日1番から行きたいです」と、初Vに挑む。
この日は、地元栃木で吉報を待つ祖父・実さんの85歳の誕生日だった。
「今日はとりあえずいいゴルフができたので。明日も含めて良い報告ができたらいい」と、気持ちは高ぶる。
ロープの外でファンが掲げる応援タオルにプリントされたキャッチコピーは「ファッションリーダー兼選手会副会長」。
この日は真っ白な短パンに、ブランドロゴを黒ベースでおしゃれにアレンジしたポロシャツを組み合わせて、スタイリッシュに疾走。
拍手と喝さいを浴びた。
先週まで3週間のオフも、チャリティイベントや、ジュニアイベントにと盛り上げに奔走してきた選手会副会長には、熱心なファンに紛れて、夏休みの子どもたちの姿が見えるのも嬉しい。
「暑い中でも男子ゴルフを見に来てくださった方々に、良い思い出を持って帰っていただきたい」と、テレビのインタビューや3日目の囲み取材に丁寧に応じたあと、この日のメインイベント「ホールインワンチャレンジ」に参加し、トリをつとめた。
立候補制のペアマッチで、手を挙げてくれた千葉県・市原市の栗原隆輔さんを指名し、2人でじっくり狙いどころを定めて2球目の挑戦でピン38センチにピッタリ!
優勝の鍋谷太一(なべたに・たいち)には数センチ及ばなかったが、リーダーの好調ぶりを惜しげもなく披露し「凄かった、楽しかった!」と、ペアの栗原さんを大喜びさせていた。