2打差の単独トップで出て、米澤蓮(よねざわ・れん)に3差の逆転を許したが、最後まで攻め続けて自己ベストの単独2位に入れた。
負けたけど、労いの水シャワーで熱を冷ましてくれた先輩の木下稜介(きのした・りょうすけ)と、堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)が、「初めてほめてくれた」という。
最終日最終組は、プロ人生で初めての経験だった。
「あさイチは緊張していた」。
それでも、1番のティショットをきちんとフェアウェイに置き、6メートルのバーディチャンスを打つことができた。
前半のバーディは、手前3メートルを沈めた3番のひとつだけにとどまったが、リードされて入った後半11番でまた並び、初Vをねらって一騎打ちに臨んだ。
「プレッシャーがかかるアプローチやパットはなく、パーオンも 100%くらい。そんなにストレスはなかった」と、断言できる。
ただ、難しいバンカーからチップインした6番や、もつれて入った15番で7メートルを沈めた連続バーディや、右からのアプローチで3メートル残した米澤の15番のパーパットなど。
「あれが極めつけでした。あれで彼に流れがいった。僕が何かということではなく、米澤選手のショートゲームに迷いがなかった。なるほど、と思った。尊敬します、後輩ですが」と、米澤を称えた。
唯一、悔いが残るのは17番だ。
共にティショットをフェアウェイに置いたが、阿久津の2打目は実はディボット跡だった。
ピンそばにつけた米澤に対して、阿久津は乗せるのが精いっぱいで、遠いバーディパットになった。
最終ホールを前に、2打差の決定打を許した。
「安全、安全に行っていたところで米澤選手に差されたのかな」と敗因を述べたが、最後18番もあきらめずにしっかりとグリーンを捉えて、バーディトライも攻めた阿久津を木下も堀川も、惜しみない拍手で称えてくれた。
日大の大先輩、丸山茂樹が立ち上げに尽力して発足した第2回大会。
学生時代に練習させてもらった地元栃木県のゴルフ場が、丸山のホームコースだったというご縁もあり、「この試合で初優勝できたらよかった」と、その点では無念だ。
「声をかけていただきましたが、期待に応えることができずに悔しい」と明かしたが、「また次、最終日最終組で回れたときこそ優勝して、ヨコハマでの4日間が生きたと言いたいです」。
今度こそ、勝者として水シャワーを浴びる。