Tournament article

石川遼 everyone PROJECT Challenge 2024

逆転賞金王に向けて北村晃一が絶好の位置で最終日へ

今年の太平洋クラブチャレンジトーナメントで悲願のプロ初優勝を飾った北村晃一。現在のABEMAツアーの賞金ランキングは3位。狙える位置にいられればもちろん狙いたいと賞金王に対しての意欲も話しているが、今週は左手首が痛い状態を押しての出場が気になるところ。

「手首は痛いですね。でも、手首痛はずっと持っているので、痛い時はこんな感じかなと思いながらやっています」。

変に自分に期待し過ぎない。「なるようになりますよ」と言わんばかりの口調は北村らしいところだが、そんな北村節は若手には不気味に感じるだろう。

プロ仲間の間では北村の技術力の高さはピカイチだ。特にパッティングの巧さは誰もが認めるところ。

北村はいわゆる天才と呼ばれてもおかしくない逸材で、野球に打ち込んでいた高校時代は甲子園に2度出場している。本格的にゴルフを始めたのが大学の4年生で、卒業した2008年にはQT1次をクリアしている。

そんな実績もあってか今年のプロ初優勝は北村を知る誰もが遅すぎる1勝目と表現する。ただ、スポーツ界には遅咲きという言葉が存在するように、北村にはその可能性が十分にある。

 

「今までの自分は夏頃に調子を落として、秋頃に上がるというパターンが多かったんですが、今年は絶好調ではないですけど、調子が落ちる感じがあまり無いんです」。

その要因を北村はこれまで自身が積み上げてきたものの成果だと表現する。来年には40歳を迎える北村だが、向上心、追求心は衰えるどころか加速するばかり。闘志を表に出すタイプではなく、時に怠そうにプレーしている風に見えることもあるが、その脱力感こそが北村スタイルだ。

 

2日間続けての66をマークして、通算12アンダーの首位帯で迎える明日の最終日。最終組でプレーできることを楽しみにしていた北村が狙うのはもちろん賞金王だが、それ以上に終盤のABEMAツアーを盛り上げる面白い戦いを演じてくれそうな予感がする。



関連記事