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三菱自動車トーナメント 1999
三菱自動車『トッポBJ』、公開ペインティングショー
希望を聞いた日比野氏は一瞬、考え込んでから「ん〜でも、普通の車よりはぜったい目立ちますよ〜覚悟しといてください」。そしてまず、バンパーにクリーム色で筆入れをした。
今井さんの夫人・直子さん(35歳)は、今回のオークションに出品されたのと同じ『トッポ』をすでに10年以上愛用されており、「買い替えどき」と今大会のチャリティカーオークションに応募したそう。
「完成した車は、家内のです」と今井さん。
車を競り落とした喜びと同時にその車がアーティストの日比野氏の手で、世界にひとつしかないマイカーに生まれかわるとあって、今井さんはワクワク、ドキドキ。そばでじっとペインテイングの完成を待っていた。
最初は真っ白だった『トッポ』は、時間を追うごとにオーナーの今井さんの希望とおり、花のように可憐な姿に変身。16色ものペンキをとっかえひっかえして、日比野氏は黙々と筆を走らせ、約1時間後に作品は完成した。
「これでお買い物に行ったら、楽しそう! 大切に乗らせていただきます」と大喜びの今井さん。
日比野氏と固い握手をし、トッポに乗って会場を後にした。
★ 日比野克彦氏のはなし
「絵や音楽は、日常とは別世界のもの。だからこそ、そこに遊び心があればあるほど人をワクワクさせるもの。
でも、車は日常で使うものですから、あまりやりすぎるのも考えものです。実際に乗れば気恥ずかしいからといって、後で使ってもらえないのも哀しいですから。
そうはいっても、やっぱりしゃれっ気がないとつまんない…今回はそのチューニングが非常に難しかったです。ましてきょうはそばで車のオーナーさんが見ていらっしゃるわけですから、非常に気をつかいましたよ。
きょうのポイントは、天井かな。比較的、人目に見えにくいところですから、思いきり大胆に、でも、今井さんの奥さんが買い物に行きやすいよう、前部分は控えめにと思いながら描いてみました。
ゴルフ場でペイントしたのははじめて。
そばで激しいスポーツが繰り広げられつつ、その周辺では私のようにのどかに絵を描いている人間がいたりする。そういう空間も、なかなかいいものですよね」