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スーパーマリオよみうりオープン 1999
ドライビングコンテスト、優勝は井上直彦
優勝賞金100万円をかけ、豪快な飛ばし合戦が繰り広げられた。
中でも、優勝候補の本命と見られていたのがフィジー出身のディネッシ・チャンド。
チャンドの今季のドライビングディスタンス(試合中のティショットの平均飛距離)は292.80ヤード。293.38ヤードで1位の小達敏昭に次ぐ、ランク2位につけていたが、記録は265ヤードと"凡打"。「年をとるとだめですね」と、流暢な日本語で大爆笑はかえたが、日本一はスルリと逃げてしまった。
王手をかけたのは、打順(クジびきで決定)5番目の久古千昭(34歳)。ホンマビッグLB300CCチタンで332ヤードをかっ飛ばし、ほぼ当確と思われた。
しかし、大会がクライマックスを迎えるころ、真打登場だ。
打順のトリを飾った前回チャンピオンの小山内護(28歳)の一人前に打った27歳、プロ3年目の井上直彦。
ややスタンスをクローズにして、インサイドアウトに思いきりよく振り下ろしたスイングからは、美しいドローボールが飛び出し、飛距離はなんと333ヤード。
「まだツアーには一度も出たことがない」という無名のプロが、日本一の栄誉を手中に収めた。
井上直彦のはなし
「ゴルフを始めた中学校のころ、人より飛ばないのが悔しくて、ジムに行って体を鍛えました。これほど飛ぶようになったのは、高校生(三重高校)のとき。それ以来、他人に飛距離で負けたことはほとんどないですね。
所属コースの津CC(三重県)の7番、360ヤードをワンオンしたことは何度もあります。まあ、このホールは打ち下ろしなんで、フォローだと届いちゃうっていうのがあるんですけど。
飛ばしの秘訣は、球筋を決めることですかね。そのホールによって、フックで行くか、ドローで行くか決めるんです。そうすれば、スイングの質が変わるから。そうして、後は上げたところから思いきりよく振り下ろすことですね。
飛ばしは自信がありますが、スコアを作る技術はまだまだですね。試合(地区オープンなどに出場)になるとスイングを合わせちゃうんですかね。曲がっちゃって、スコアにならないんですね。
でも、ドラコン日本一になったってことで今後、ツアーの推薦出場の依頼などくるかもしれませんね。そうなれば本当に嬉しいです」
写真は、主催のハドソンの高田秀雄取締役から、賞金100万円を受け取る井上直彦。ハドソンのキャラクター、ボンバーマンもお祝いにかけつけた。
参考資料:
ドライビングコンテスト歴代優勝者(84年に稲垣太成がマークした342ヤードは日本記録)。
第1回 1979年 滝安史 28歳 316.7ヤード
2 1980年 岩間健二郎 29歳 327.5
3 1981年 滝安史 30歳 322.8
4 1982年 滝安史 31歳 317.0
5 1983年 滝安史 32歳 334.2
6 1984年 稲垣大成 28歳 342.0
7 1985年 金子柱憲 24歳 318.2
8 1986年 岩間健二郎 35歳 322.1
9 1987年 古木譲二 27歳 329.6
10 1988年 白石達哉 29歳 307.0
11 1989年 W・オースチン25歳 329.6
12 1990年 加瀬秀樹 30歳 300.5
13 1991年 白石達哉 26歳 306.8
14 1992年 古木譲二 32歳 301.0
15 1993年 藤本あきら 31歳 290.0
16 1994年 清家一生 30歳 308.4
17 1995年 小達敏昭 27歳 318.7
18 1996年 F・ミノザ 36歳 324.0
19 1997年 小山内護 27歳 328.0
20 1998年 中止
21 1999年