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〜全英への道〜ミズノオープンゴルフトーナメント 1999

日本盲導犬協会による、盲導犬訓練のデモンストレーション

現在、盲導訓練中のティナちゃん(ラプラドールリトリーバー)は、満2歳。「もうすぐ、ティナも修行を終えて、立派な盲導犬として巣立ちます」とは、財団法人日本盲導犬協会・渉外本部の山口義之さん。
ティナちゃんは、大会3日目終了後に行われた、盲導犬訓練のデモンストレーションのため、山口さんと、訓練士のお姉さんとともに会場入り。ギャラリープラザ・Mハット横で、訓練の成果を披露した。
まずは、基本の動作から。
「Wait!」山口さんの一声で、立ったままピタっと静止。
「Ok」がかかるまで身じろぎもしない。
「Stay!」の指示がかかると、じっとおすわり。
大好きな訓練士のお姉さんが手綱を放し、遠くへいってしまって寂しげにその方向を見つめながらも、じっとガマンで動かない。

「盲導犬は、性質のおとなしい両親から生まれた子供を選んで、生後4ヶ月からボランティアのパピーウォーカーさんのもとに預けられ、そこで約10ヶ月、人間の愛情を一身に受けながら社会のルールやマナーを学びます。
とてもおとなしい性質の上にしっかりしつけられていますから、絶対に迷惑はかけなません。それに盲導犬は法律で、主人と一緒に行動できることが義務づけられていますから、問題ないのですが、まれに入店拒否されるケースがあるのです。
盲導犬の訓練は、非常に地味なものですが、主人に待てと言われたら、ぜったいに待っていられる根気強さがひつようなのです。
まして、団体行動を好む犬は、ひとりにされるととても心細くなって、じっとしていることができない性質がありますから、この訓練は非常に大切なものなのです」(山口さん)

日本盲導犬協会による、盲導犬訓練のデモンストレーション 続いて、『誘導訓練』だ。
観客の中から選ばれた女性が目隠しで、ティナちゃんに導かれて10メートル歩行。ティナちゃんは、女性の足元を、横目でチラチラ気遣いながら、1歩1歩すすむ。

「目隠しして歩いていただくとわかってもらえるように、暗闇の中を杖だけ頼りに歩くのはものすごい恐怖です。ですが、盲導犬のおかげで杖を持たず、『風を切って歩けることがものすごい嬉しい』、『他の人を追い越せるのが快感だ』と、盲人の方の喜びは相当なものです。
みなさま、ハーネス(白い動輪)をつけた盲導犬をみかけたら、どうか、ちょっかいをかけたりあやしたりしてあげないでください。
盲導犬はしっかり訓練されてはおりますが、やっぱり、誘惑に負けてしまうこともあります。それで、盲人の方が危険な目にあうことにもなりかねません。
それと、盲導犬が、店の外でじっと主人を待っているのを見かけたら、みなさんでお店の方に、『これは盲人の方の大切なもうひつの目ですから、どうか一緒に店に入れてあげてください』と、声をかけてあげてください。
私たちからのお願いです」(山口さん)

このあと、団体訓練(実際に、盲導犬を希望する方とともに寝泊りをして行う実習訓練:4ヶ月)を終えたあと、8歳から10歳―ちょうど人間でいえば60歳の定年を迎えるまで、一人前の盲導犬として人生を歩むことになる。

★会場内、クラブハウス前で盲導犬協会への募金をつのっています。
盲導犬の育成、訓練その他の費用は、みなさまの募金によりまかなわれています。