初日、5アンダー3位タイにたった高松厚は、昨年のこの大会7位の成績で、今年の出場権を得た（注：前年度10以内の選手には翌年の出場権がある）。今季は、これがツアー初デビュー。昨年のツアー出場優先順位を決める予選会で最終選考まで残れず、今季の出場権がなかったからだ。
　しかし、「出られる試合はとにかく全力でがんばる」と、逆にそれを発奮材料に、この日、33度の猛暑も吹き飛ばし、9番ロングでは7番アイアンでピン1メートルにつけてイーグル。ほかに4バーディ（1ボギー）を奪って、67でまわり首位発進した。
　「ロングでしっかり取れたのがよかったみたいです。ゴルフの調子はいいんですよね。ただ、試合にでられないだけで…」（高松）。
　プロゴルファーになるまえはジャズドラマー。なんとかその道で食べて生計をたてたいと頑張っていたが、時代の流れで、ジャズを演奏させてもらえる場所が次第に得られなくなっていったという。
　その折、父親がゴルフ練習場をオープン。両親に言われるまま、開場の手伝いをするうち、自然とプロゴルファーを目指すようになった。
　が、プロゴルファーとしてもまだ充分、稼げているとはいえないだけに、「あと2 日、なんとかアンダーパーでまわりたい」と、気合は充分。
　2日目以降の活躍に注目したい。

★高松厚
昭和35年2月28日生まれ。東京都世田谷区出身。身長173センチ、体重72キロ。平成1 年プロ入り。