Tournament article
ブリヂストンオープン 1999
2位と3打差でスタートした丸山は、途中でプレッシャーを感じていた
久しぶりの優勝争い。1年4ヶ月ぶりのVにむけ、「特にショートパットで、パーセーブしたいという気持ちが強く、手が動かないホールもあった」という。
「コーライグリーンの逆目ののぼりのパットは、何が起きるかわからない、という気持ちがあって、それが非常にプレッシャーになったんです。でも、ショットに関しては、落ちついて打てていたしね。きょうはピンがグリーンのはじっことか、傾斜の難しいところに切られていることが多くて、みんなスコアが伸びなかったでしょう。それで救われましたね。
『こんなところでミスするかな』と反省する箇所もあったけど、どんな勝ち方でもいいから勝ちたかった。とても嬉しい、のひとこと。満足しています。
きょうは9番、10番でバーディが取れたのが大きかったと思う。クレイグ・スペンスさんもいいゴルフをしていたけど、この2つのバーディで、自分のペースが守れるんじゃないかと思えましたから。でも、すぐに12番(166ヤード、パー3)で3パットしてしまって…。『ここからが、正念場になるだろう』と、気を引き締めました。
14番(463ヤード、パー4)のパーパット(第2打でグリーンをショートし、アプローチでピンまで約2メートル)で、ようやくほっとしたかな。ハンディひとつもらったような気持ちでしたね。
13番くらいから伊沢さんの雰囲気が出てきて、ちょっといやな感じがしましたけど、16番(537ヤード、パー5)でアプローチが寄せられたこと(右バンカー奥のラフから残り15ヤード、サンドウェッジでピン1,5メートルに3オン)が、本当の勝因になったと思います。このアプローチは、自分が『そこに落したい』と思ったグリーン手前エッジに、確実に落すことしか考えていなかった。16番でバーディパットで入れたとき(この時点で通算18アンダー、2位と4打差)、自分に向かって思わず『お疲れさん』って言ってた(笑)。
(今大会を過去2回=95年,96年連覇で)ここのコースは、相性がいいのかな。なんだか、アドレスがしやすいというのはあります。『ここはフェード、ここはドロー』というふうに、決め打ちができるんです。『どうやって攻めよう?』ではなく、『こっちから風が吹くときは、このクラブで』というふうにプレーできる。コーライグリーンも、得意ではないんですけど、ここにくるとよく入るんですね、フシギなことに…。
8月からはじめたこと(トレーニング)に不安があって、思うように球が打てず、本当にこれでいいのか、と思うこともあった。でもようやく、自分のやってきたことが正しかったんだ、と思える。
たまにショットのときに変な力が入ってしまうホールもあったけれど、トレーニングのおかげで体にとても力があって、バッグスイングで間が取れる。0コンマ1秒というスイングの一瞬のすきに、『あ、ここにクラブを通していけばいいんだ、ここにクラブを抜いていければ絶対に曲がらない』という自覚が出来て、余裕を持って振れるんです。
17番のティショットもすごくリラックスして振れていたし、18番(572ヤード、パー5)の残り247ヤードの第2打は、はじめクリークを持とうと思ったんですが、いまのからだの状態だと柔らかい、いいスイングができると思ったので、スプーンで打ちました(ピンまで12 メートルに2オン)。
軽く、ぴょーンと打つことができ、こんなにいい気分の18番ホールはいままでありませんでしたよ。
4日間60台で回れたことも、最終日に60台を出して優勝したことも、本当に久しぶりのことです。
最後の(20センチの)バーディパットはもったいないから、(ウィニングパットに)とっておいたんです。本当なら、(イーグルパットのときに)入れちゃってもよかったんだけどね(笑)」