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GeorgiaKSBオープン 1999
2位タイの高橋正博
これまでに出場できた試合はわずかに十数回、うち予選通過できたのは、91年のペプシ宇部興産(55位)の1試合だけと、下積みが長かった。
ツアーの出場優先順位を決める予選会では、ずっと辛苦をなめてきた。
「これまで、『予選会を通るための、窮屈なゴルフ』をしていた」と高橋。
予選会に通らないことには、一年を棒に振る、という切羽つまった気持ちが先にたち、守りの態勢に入っていたのだ。
だが、「人に勝つためには、攻めて行くしかない」と、一念発起。
昨年の予選会で今季の前半の大会には、ほぼフル参戦できる 19位につけ、開幕戦から戦っている。
開幕2戦目の静岡オープンで、初日77を叩いて、「予選通過はきっとイーブンくらいだろうから、明日は67を出す」と決心。
2日目。目標に、2打足りない69ストロークで終了し、結局、予選通過はできなかったが
「こうと決めた数に限りなく近い結果でラウンドできたことで、すごく自信がついた」(高橋)
その自信を、きょうのスコアにもつなげた。
前半(インスタート)の15番ロング。ピンまで250ヤードの第2打をスプーンでワンピン距離にピタリ。
これを沈めてイーグルだ。
後半の5番ロングでも第2打、残り250ヤードでドライバーを握ってピンまで20メートルに2オン、2パット。
「右がOBゾーンだったので、ぜったいに右に行かせたくなかったんです。ライが良ければ、ロフトのないドライバーで打てば距離のでるスライス球が打てる。普段でもよくやるワザです。
ここはグリーンが難しいから、逃げていたらぜったいだめ。
カップの切ってある面に積極的に乗せて、狙っていかないと勝てないと思う」。
ゴルフの名門。日本大学ゴルフ部出身。
1打差、首位の金子柱憲は、2年先輩だ。
「学生時代は一緒の環境の中でやってきたのだから。ボクにもやれないことはないと思う」。
遅咲きの花が、いまようやく開花しようとしている。