Tournament article
住友VISA太平洋マスターズ 1999
世界の強豪が、今週、御殿場に集結する
今週はその第1戦目。
『インターナショナルツアー』の開幕戦にふさわしい、ビッグネームがやってきた。
今年、センセーショナルにプロデビュー。神の子エル・ニーニョ、『セルヒオ・ガルシア』は若干19歳
今年8月の全米プロゴルフ選手権では、勝者のタイガー・ウッズよりも観衆を魅了した。メダイナの最終18番ホールでは、「セルジオ」の大合唱がこだました。
見るものを惹きつけてやまない攻撃プレー、派手なパフォーマンス。どんな場面でもゴルフを楽しむ、スペイン生まれの陽気な19歳、ガルシアは、今年4月のマスターズでローアマチュア(ベストアマチュア)に輝くとすぐにプロデビューした。
その後、わずか5ヶ月のあいだに、欧州ツアー初優勝。全米プロゴルフ選手権ではタイガー・ウッズと、最後まで接戦を演じて1打差2位に入るなど、すでに神話を作りつつある。
日本のツアープレーヤーたちにも、その姿を見るのを楽しみにしている者もいる。世界で話題の神の子、エルニーニョ・ガルシアは、今週、この御殿場でどんな話題をまくのだろうか。
世界中が、その『悲劇』に目を覆った。今年の全英オープン、カーヌスティ18番ホールのトリプルボギーはまだ記憶に新しい『ジャン・バンデベルデ』
今年の全英オープンが終わったとき、皆は口々にベルデを『悲劇のヒーロー』と呼んだ。最終日、2位に3打差をつけて迎えた18番ホールで、ベルデは、ラフ、クリーク、バンカーと渡り歩き、球をカップインさせるまで実に8打を要した。
それまで誰もが信じて疑わなかった全英史上2人目のフランス人チャンピオン。たったひとホールで、ベルデはその栄冠を手放した。
勝ったポール・ローリーよりも、世界中の注目を浴びた話題の選手は、次に御殿場でどんなドラマを作るのか。
1996年の出場から、今大会3連覇。御殿場との圧倒的な相性の良さを見せつけて、勝利をさらった強豪が、再来日『リー・ウェストウッド』
昨年のこの大会。ウェスト・ウッドは初日、イーブンの36位と平凡なスタートを切ったが、2日目に67をマーク。一挙に4位まで浮上して、大会連覇の底力を見せつけた。
「コーチのピーター・コーワンと、スイングとパットのときのセットアップを見てもらったら、ゴルフの調子がぐんと良くなったんだ」とウェストウッド。こうなるともう、流れはウェストウッドのものだった。最終日、通算11アンダーまで伸ばしたジャンボ座置きの追撃を振り切って、本大会初の3連覇を達成。その翌年に結婚の予定をしていたローリーさんに、最高の手土産を持って故郷へ凱旋帰国した。
ちなみに、ローリーさんは、今年、今大会に来日しているアンドルー・コルタートの妹。兄弟対決もみどころ?!
今年のマスターズで2度目の栄冠。逆境を乗り越えた完全復活Vは、世界の感動を呼んだ『ホセ・マリア・オラサバル』
右足つま先に原因不明の激痛を感じたのは95年のことだった。懸命の治療にも痛みはひかない。さらに悪化し、寝たきりの生活を強いられた時期もあった。現役引退の危機にまで追い込まれ、家族と今後の生活について話し合う日もしばしばだったという。
思いきってドイツに渡り、専門医からの治療を受けてようやくゴルフができるようになったのが97年の夏だった。それまで1年半ものあいだ、クラブを握らない生活に耐えた。
メジャー制覇で完全復活を世界にアピールしたオラサバルは、今大会1989年、1990 年のチャンピオンでもある。 台風の目になりそうだ。