Tournament article
ダンロップフェニックス 1999
連載「ツアーを支える人々」
ボランティアスタッフの平谷さんは、大会3日目、グレッグ・ノーマンのマーカー(スコアチェック係)を担当した。
この大会では、スタート前のティグラウンドで、各組につくマーカー、キャリングボード(スコア速報板)が、選手に自己紹介をするのがならわしだ。
「スタート前の挨拶ではノーマンさんは、あの映画俳優のような笑顔で『よろしくね』と笑いかけてくれて、ホールアウトしたときは、『サンキュー』と言って握手までしてくれました。あのノーマンさんが…と思うと本当に感激でした」。
地元・新富市で公務員を務める平谷さんが、今大会のボランティアに参加したのは 6年前のこと。それまでは会場に訪れるたび、地元のアルバイト学生がフェアウェーのロープ内を堂々と闊歩する姿を眺めて、「お金はいらないから、僕も一度あの仕事をやってみたい」と憧れ続けていた。
その矢先、この大会のボランティアの一般公募が始まり、平谷さんはすぐに飛びついた。マーカーの業務に応募して「以来、病み付きです。毎年、フェニックスの開催が楽しみでたまらない」。
3年前にはボランティア組織内で、業務リーダー制(各業務のリーダーを決めて、リーダーがその業務全体を取り仕切る制度)が始まり、ボランティア開始年度から参加していた平谷さんにも白羽の矢が立った。「他のメンバーから推薦を受けまして、リーダーを引きうけました」という。
平谷さんは通常のマーカー業務のほか、開催前の人員集めからはじまり、当日は点呼、集合、新人ボランティアマーカーの教育までを一手に引きうけ、4日間中大忙しだ。
「でも、リーダーをやらせていただくようになって、いろんな人と出会い、毎年、友達が増えていくのがまた楽しみで…ボランティアは、当分、やめられません!」と平谷さん。
平谷さんをはじめ生き生きと場内で働くボランティアの方々の活躍が、大会に一役も二役も買っている。
★ 今年、今大会のボランティア延べ総動員数は650人。平谷さんが務めるマーカーのほか、移動式スコアボードの『キャリングボード』係、ギャラリー整理をする『ホールマーシャル』など多種多様な業務がある。今回の参加者は9割以上が地元県内の主婦やサラリーマンで構成されている。6年前に始まった今大会のボランティア制度は、年々盛りあがりを見せ、さらに大きな組織に成長しつつある。