Tournament article
ダンロップフェニックス 1999
ガルシア、海外ツアー初V逃す
面白いようにパットを沈め、ガッツポーズを繰り出した。
しかし、勝ったビヨンが言うように「ガルシアはそのあと、特に何もしないでボクと丸山に門戸をあけてくれた」11番で通算14アンダーとする、バーディを奪ったのを最後に、ガルシアにはパタリとチャンスが来なくなった。バックナインのプレッシャーか。ショットがピンに寄らない。パットが入らない。最後の4ホールで3バーディを奪い、スコアを伸ばしたビヨンに対し、じっとパーで耐えたまま、1打差首位で迎えた18番ホール。
ビヨンが第2打を刻み、アプローチでピン奥6メートルに寄せて、これを沈めバーディとしたが、ガルシアはここでもやはり平凡なパーでフィニッシュ。
勝負はプレーオフに持ちこまれた。
プレーオフは、15番ホール→16番ホール→17番ホール→18番ホールの繰り返しだった。
4ホール目の18番、ガルシアのティショットは左林の中。
フェアウェー左のラフになんとか脱出させたが、そこからピンに寄せきれず6メートルのパーパットを残した。
ビヨンも、ティショットを左ラフの松の木の根元に落し、同じくピンチかと思われたが、これをフェアウェーの真中に見事にリカバリーして、そこからピン横50センチにつけるスーパーショットでガルシアにプレッシャーをかけた。
ビヨンのバーディは確実、という場面。
先にバーディパットを打ったガルシア。
球は、カップ1メートルと大きくオーバーして、勝負あり。
ガルシアが望んでいた“日本初V”は、夢と消えた。
「ゴルフは良い時と悪い時がある。結果は出せなかったが、プレー自体には満足しているよ。本戦の12番ホールから、何度もバーディチャンスはあったけど、それを決められなかったのは残念だね。6番のダブルボギーを発奮材料にして、それ以降のバーディにはつなげられたのだけれどね。ボクもいいゴルフをしたけど、それ以上にビヨンがいいゴルフをしたということだよ」