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カシオワールドオープン 1999

連載「ツアーを支える人々」

有本さん(写真左)は、現在31歳。桑原の1つ上ということで、桑原は有本さんについて「しいて言えば、アニキみたいな存在かな」と表現した。
また、桑原の“有本さん評”は「ものすごく頑固もの!」だそう。桑原から見た、有本さんの『プロサービス』ぶりを、じっくりと聞いてみた。

「ボクから言わせれば有本さんは、ものすごく頑固もの!!
プロサービスっていう仕事は、ある意味で『プロゴルファーの苦情聞き係』のようなもの。プロの中には無茶な要求とかも平気でバンバンする人もいるんです。
でも、それをすべて聞いていたら、『プロサービスの仕事』は収拾つかなくなっちゃう。でも、そのへん、有本さんははっきりしていて、どんなプロに対しても、無理な要求には『できません』。こちらが筋の通らないことを言ったりしたら『それは間違いです』と、ちゃんと言える人なんだ。そういう意味で、ボクは有本さんのことをいい意味での『頑固もの』だって思ってる。
自分の間尺に合わないことには、きっぱり『違う』と主張できる。たとえどんなプロの言動にも流されない、ナアナアの関係は許さない。
これは非常に大切な姿勢だと思う。有本さんのいいところは、まずそこです。ボクが忙しくてとてもそこまで手がまわらないときなどには、ツアー遠征用の宿泊や交通の手配を、有本さんにお願いすることもある。ボールや手袋などの用意など身のまわりのことも、本当にこまめにやってくれる。
でも、ボクにとって、有本さんが頼りになるって感じるのは、そういう物理的なものだけじゃない。
なんといっても、彼の精神的なサポートが、ボクにとって励みになるっていうのかな。
どんなに仕事がよくできても、そこに誠意が感じられなければ、他人を動かせないでしょう。
彼の行動や励ましの言葉ひとつひとつには、いつも誠意がこもっていて、ボクはその誠意に突き動かされて『きょうもがんばろう』という気持ちになれる。彼の誠意には、ぼくらプロががんばってツアーで常に上位に入り、優勝争いをすることでしか、応えることはできないから・・・。
ボクにとって、そういうサポートをしてくれるのが、『ミズノ・プロサービス』の有本さんという存在なんです」(続く)