Tournament article
日本オープンゴルフ選手権競技 2000
選手が悲鳴をあげるグリーンまわりの深いラフ
早朝、まだ朝もやが漂う時刻。
各ホールのグリーンまわりに十数人のコース管理スタッフが熊手ほうきを使って何やら作業中だ。
140ミリ以上に成長したラフも、前日のうちに選手らに踏みしめられたり、葉の重みで寝そべってしまった状態。
これを、スタート前に丹念に立てて、さらにタフなセッティングに仕上げているのだ。
「私どもは、これまでの日本オープンのコースセッティングをたくさん見てきましたし、全米オープンにも視察に行って、参考にもしております。
世界レベルのコースはどこも、やはりラフがしっかり立てた設定になっているな、私なりに実感いたしましてね。…それに、せっかくここまで伸びた物を、生かさない手はないですし」。
こう話してくださったのは、開催コースの鷹の台CC・在原彊管理部長だ。
「それに、コースの難しさというものは、目から入ってくる影響も大きいと思うのです。
ラフがしっかり立った状態なら、パッと見ただけで、難しいなと思う。見た目が、精神的なプレッシャーを与えるわけです。それで、今回は、この140ミリ以上に成長したラフを、熊手で地道に立たせる方法を取らせてただきました」(在原さん)。
「グリーンまわりでの、ロストボールも有り得る」と選手らが恐れるラフ。熊手による朝のこの“手作業”は、最終日まで続けられる。