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ブリヂストンオープン 2000

▼ ブリヂストンオープン・トピックス 「目の前の1打しか考えられない」

トーナメントリーダーの宮本勝昌

 通算13アンダー、首位で迎えた18番パー5。宮本は、「とにかく1打でも余裕が欲しい」と、残り6メートルのバーディチャンスを執念で入れた。これで16番からの3連続バーディも決めて、2位の佐藤と3打差のトーナメントリーダーに、「ウソみたい。でも、悪い気分じゃない。3打差は、全然、安心なんてできないけど、明日は18番まで1 個でもリードできていれば、勝てるなら鼻差でもいい。このまま逃げきってしまいたい」と、ようやく笑顔になった。


 ほのぼのとした屈託のない笑顔が、ファンを魅了する。
 しかし、ここ最近は、プレー中に眉間のコイル巻きが取れない。1打を打ち終えるたびに、思案顔で素振りを繰り返す。
 「思いどおりのショット、ゴルフができてない。目の前の1打のことしか、考えられない。調子の悪さがそうさせるんです。今度はああしてみよう、こうしてみよう、そればかり考えている。でも、その中でもやっていかなくちゃいけないのが、ゴルファーなんですね」

 苦しみながらの首位獲りに、「一杯一杯のゴルフだけれど、せっかくトップになったんだから、明日は気持ち良く行きたいな。ここは1日で7、8アンダー、出るコース。今、7アンダーの人にも可能性があるけど、気にしちゃ負けです。18番で1個でもリードできていれば、そのまま鼻差で逃げきりたい」と話した。

◆ 宮本勝昌のはなし
 「今日は余裕がなくて、でだしのボギーくらいしか覚えていない。
 今日は11番のフェアウェー右からの112ヤードのピッチングウェッジでのアプローチ。これが唯一のナイスショットです。これが3メートルについてバーディ。
 もう、これで一杯一杯ですよ。目の前の1打のことしか考えられなくて…。今日は、今、ツアーでいちばんのプレーヤーと僕が思っている伊沢さんとのプレーで、でも、 7番あたりで4打か5打差もついてしまって、「このままどんどん離されていくのかな」と焦って、とにかくついていくのに必死でした。優勝争いしているという気持ちはまったくないし、ましてトーナメントリーダーだなんて、考えてもいなかった。
 伊沢さんのオーバーパーを久しぶりに見ましたが、伊沢さんは明日にも出64とかで回ってくる可能性がある。安心はできません。

 最後の18番はアプローチで意識しましたね。これを寄せておけば明日、わからないぞ、という気持ちがありまして…。
 3打差は安心なんかできないけれど、差はひとつでもあったほうがいい。最後のバーディパットは本当に入ってよかったと思います。

 見事に、上位に賞金ランクの上位の人が集まりましたが、秋口は、春先調子が良かった人、また1年通して調子が良い人が、必ずまた調子があがってくる時期だと僕は思っているんです。そんな人達に混じって優勝争いができるなんて嬉しい限りです。最終組は、賞金王の佐藤さんと、今日、8アンダーの要ちゃんですか。すごいですね。負けて元々…と思いつつ、負けないようにしたい。
 …欲を言えば、明日、中止になってくれないかな…(笑)。実は副賞のジャガーが、ものすごく欲しいんだけど…(笑)」

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