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住友VISA太平洋マスターズ 2000
▼ トピックス「ストレスが、たまらなくなったんです」
飛ばない変わりにショートゲームでスコアをつなぐのが杉本周作のスタイル。
今年、御殿場コースでは8ホールのコース改造を行われ、全体で160ヤード距離が伸びてますます飛ばし屋有利に。杉本のような選手にとっては、不利な条件となるはずだった。
その杉本が、初日から面白いようにスコアを伸ばし、
「なんか自分でも変な感じ…。気持ち悪いですよね」と照れ笑いを浮かべた。
距離が長くなった3番、7番、12番、17番でも確実にバーディ奪取ができたのは、3週前から使いはじめた、新しいドライバーのおかげだ。
契約先のテーラーメイドが現在、試作中というニュークラブで約10ヤード飛距離が伸び、「これは、僕の中ではかなりのものなんです」と声がはずむ。
今年に入って、調子が悪くなると「飛ばない上に曲がる」との悩みを抱え、苦しんでいたが「新しいドライバーのおかげで他の選手と見劣りしないくらい飛ぶようになり、ストレスがたまらくなった」と、精神的効果もあがった。
加えて、今週は心強い味方がいる。
キャディのディーン・ハーデンさん(写真左)。「今日は彼がたくさんのナイスアドバイスをくれたんです」。
以前から数回、担いでもらって相性のよかった彼を、今週も起用して吉と出た。
ティグラウンドが後方に下げられ昨年よりプラス36ヤード、トータル228ヤードの17 番パー3で杉本は、はじめ、3番アイアンを握った。
「でもディーンさんは、4にしろって。それで打ってみたら、ピン右横6メートル。3 で行っていたら大きかった」平均ストローク3,429と、この日ダントツ難易度1位になったこのホールで、楽々バーディを奪った。
14番パー4(420ヤード)でも、グッドアドバイス。
残り145ヤードの第2打。
「僕は8番を持ったけど9番で行け、と。それが2メートル手前についてバーディでした。
彼は、グリーンが硬くて速いということを念頭に、手前にキャリーで落させてピンまで転がして距離が合うクラブを、僕に選ばせてくれているみたい。一瞬、届かないように感じる番手を持たせるんだけど、それがちょうど良い。ほんとうに、助かりましたね」
この日は、気温10℃以下。「息をハーハーしながらのプレー」にも、2つの頼もしい助っ人を味方をつけて、7バーディ(1ボギー)の66で杉本が好スタートを切った。