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サン・クロレラ クラシック 2000
「今日の成績が応援メッセージになる」
この日、“飛び入り参加”のプレーヤーが、いきなり上位発進だ。
2位タイの大山健。
今大会の出場が決まったのは、この日の朝7時30分。発熱で欠場を決めた小山内護のピンチヒッターだった。
スタート直前までに欠員のあった場合、繰り上げ出場ができる『現地ウェイテイング制度』に登録していた大山は、念の為、前日のうちに練習ラウンドを行ってはいたが、それでもほとんどぶっつけ本番のようなもの。「確かに急でしたね。でも、僕は “ぶっつけ”には慣れているほう。アイフルカップのときもそうだったですしね。そういう場面のほうが力を発揮できるのかも」と大山。
昨年は、ファイナルクォリファイングトーナメントで予選落ち。出場優先順位は147位で、まったくといっていいほど出番はなかった。
「たまのチャンスを生かさないと! という気持ちに結びついたのでしょうか」と、前半の9番から4連続バーディを含む68をマークして、「僕みたいな実績のない者が4日間、ずっと上位でプレーできるとは思わないけど、できるだけ稼いで帰りたい」とやる気だ。
発奮材料もあった。
母校の札幌南高校がこの夏、61年ぶりに甲子園への出場を決め、地元は大いに沸いている。
「僕もOBとして何かできたらなって思っていたけど、今回の好スタートが応援メッセージになりますね」と満足そうに語った。
★ 大山健
地元・北海道出身、37歳。はじめてクラブを握ったのは小6のとき。そのころはまだ、父親と一緒に週に2回ほど練習場に行く程度だった。
札幌南高校卒業後一浪して日大に進学、ゴルフ部に入部し本格的にゴルフを始めることに。しかし「あんなにトップクラスとは知らずに入った。僕にはあの環境はが合わなかった」と3日で中退。地元・旭川GCの研修生として修行を積んだ。
昨年、ファイナルQTに挑戦したが予選落ちしてランク147位。今季はアイフルカップ(62位)と今大会で2戦目。