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全日空オープン 2001

▼ 大会トピックスウィンドスティック、ツアー初登場!

ジャンボが感じている輪厚の風、お茶の間でも−

 ゴルフ競技と“風”は、切っても切れない関係といえよう。
 選手たちは、そのときの風向きや強さを瞬時に読み、状況に見合ったクラブを選び、球を風にぶつけまたは風に乗せ、球筋・弾道を打ち分け、ピンに向かっていく。
 “自然との戦い”を実感する瞬間だ。
 そんな臨場感を、ブラウン管でリアルタイムに実感できるシステムが、日本ツアーに初登場する。

 ユニシスが開発した『ウィンドスティック』だ。

 ウィンドスティックとはその名のごとく、風向・風速計が取り付けられた棒のことを指し、そのスティックで選手とともに移動しながら、その場の風向き、強さが計測できる。
 さらにそのデータは、ワイヤレスでテレビ中継センターの屋根に取り付けられた無線アンテナに送られ、ブラウン管には、ビジュアルと、数値でリアルタイムに反映されるわけだ。

 このシステムは、欧米豪の海外ツアーでは、すでに数年前から導入され定着してきたが、日本ツアーでは、この全日空オープンが始めての試み。

 常日頃から「ゴルフ中継に、臨場感を−」と願う日本ゴルフツアー機構が、日本ユニシスに協力を請い、今回の実現となった。
 日本ユニシス広報部・森藤尚子さんは言う。
 「導入にあたってやはり、まず最初にこのウィンドスティックを取り入れるのは、風がゲームのキーを握る大会がいいだろうということで、何度か話し合いを持ちました。
 その結果、今回の全日空オープンがうってつけではないだろうか、と。われわれユニシススタッフも、日本ゴルフツアー機構のみなさんをはじめ、主催者、放送局のみなさんが考えておられる“よりリアルで、魅力溢れるトーナメント作り”のお手伝いができれば最高だと、考えております」

 これまでも、テレビ画面に風向・風速が表示された大会はあったが、それは、たとえばクラブハウスの屋根の上などに機材が固定されたもので、各コース別、地点別の細かい風向・風速が観測できるわけではなかった。
 それが、今回のウィンドスティック導入では、16番ティグラウンドと17番セカンド、そして最終組、注目組などに1本ずつ用意され、選手たちひとりひとりが今、まさに感じている“輪厚の風”を、お茶の間でも体感できるようになっている。

 今大会の中継局、札幌テレビ放送・報道制作局制作部の小坂栄哉さんは、「ファンのみなさんにもプレーヤーの目線になって、観戦していただけるはず。美しいコースの風景と、ウィンドスティックとを照らし合わせつつ、選手たちのコース攻略法も一緒に楽しんでほしい」と話している。

※ ウィンドスティックは、すでに金曜日・予選ラウンドの中継から導入されています。
  決勝ラウンドでも、画面から伝わるその臨場感をお楽しみください。