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日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ 2001

「あがり3ホールまで、攻め続けることができました」

ショット、パットの好調が、最終日の宮本勝昌に自信を与えていた

 「体がレベルターンして、より理想のスィングができるから」との理由で、低い弾道のフェードボールを打つことが、最近の宮本の課題だった。
 それが、この日の強風下でのプレーにも生きた。

 「今日は、ティショットでラフに入れたのは、9番だけ。おかげで今日は、風の中でも、ピンをデッドに狙えたホールがたくさんあった。それに、自分が決めた落としどころに打てたホールも多かったんです」



 ずっと続いていたパッティングの悩みも、前日3日目までに、晴れつつあった。
 インタビューのとき、報道陣のひとりに指摘された「パットのときも、フェードボールを打つイメージでやってみたら?」との大ヒント。
 これをもとに、今まではどうしても、左サイドで詰まっていたストロークを、最終日には「ヘッドを低く出すイメージにする」ことで、開眼。この日は、5メートルのバーディパットも、3メートルのパーパットも、面白いように決めた。
 「ホールを進むごとに、良くなっていきました。半信半疑な状態から、どんどん自信になってきて、11番、12番、13番では、立て続けにフックラインを入れられた」と共同インタビューでは改めて、ヒントをくれた記者に礼を述べた。

 ツキもあった。
 ひとつは、グリーンが浮島になった11番パー4、7番アイアンでの第2打。
 「風を気にしすぎて、特に低い球を打とうとしたら、逆にフケ球になったみたい。絶対に池だと思った」
 しかし近づいてみるとボールは、グリーンと、池の淵の間のラフの、10センチの隙間に、かろうじて、乗っかっていた。
 スタンスこそまともに取れず、カップに背を向けた状態でのアプローチとなったが、このピンチをパーセーブ。

 また、15番パー4では、グリーン右奥へ飛び込んだはずの第2打がギャラリーの日傘に跳ね返り、ボールはピンまで10ヤードの右ラフへ。
 そこから、劇的チップインバーディで決めて、
 「1年に2、3回しかないチップイン。それが、こういうときにきてくれたのが嬉しい」と、度重なるラッキーに、感謝した。

 このバーディで、差は2位と7打に広がった。
 これまでのV争いでは、2位と差がつくほど、宮本には守る気持ちが強くなり、自滅する傾向にあったが、この日に限っては、「上がり3ホールまで、攻め続けることができた」という。
 ショットとパットの好調が、宮本に、ゆるぎない自信をもたらしていたのだろう。

 「今日の精神状態を、来週以降にも生かしたい」と宮本。
 攻めの気持ちのまま、今週狙うは「これまで果たしたことのない」2週連続優勝だ。

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