Tournament article
つるやオープン 2001
左腕の負傷がかえって好結果に?
市原は、昨年のファイナルQTでランク14位に入り、今季前半戦の出場権を手に入れたいわば、“ツアープレーヤー1年生”
今年の開幕戦は「第1戦から出られることがうれしくてうれしくて・・・」と頬をゆるめる。
ところが、「頑張り過ぎちゃったことがあだになって」と、東建、静岡とも予選落ち。
というのも、開幕戦をツアー会場で迎えられることすら市原には、楽しくてたまらず、ついついオーバーワーク。
「練習しすぎて、疲れきってしまったのもあったみたいです」と振り返る。
加えて、「パッティング時の目線の狂い」が、ショットにも影響していたという。
「アドレスではまっすぐ向いているつもりでも、知らず知らず目線が左を向いて、結局、フェースが右を向いてしまってたんですね。・・・開幕戦でそのことに気づいたので、3週間のオフは10日間の合宿を組み必死で修正したんですよ」
そんな合宿での手ごたえを感じていた矢先、市原に不幸な出来事が起きた。
自宅前で、車のトランクに手をぶつけて左腕に打撲傷を負ったのだ。
「・・・それが・・・恥ずかしいことに、トランクを閉めるときに余所見をしながらやったもんだから手が空振りして・・・思い切り打ちつけてしまったんです」と、差し出してみせた手は、まだ赤く腫れて痛々しかった。
「昨日の練習日までは、ほんとに痛くて・・・今回は棄権もしょうがない、と思っていた」という市原。前日水曜日の練習ラウンドは大事をとって控え、プロアマ戦の様子を観戦しながらただ歩いてコースの下見。そして迎えた本戦は、
「朝、痛み止めを飲んで、6〜7割くらいの力で、入れ込まないようにしながらラウンドしました。そして、たとえミスしても『ケガしてるんだからしょうがない』くらい気を楽にもってやりました」と、あがってみれば4アンダー、6位タイの好スタート。
「薬のおかげで痛みもほとんど出なかったし、かえって、ケガをしていたほうが、力が抜けてよかったのかな。プロアマ戦で、いろんな選手たちのコースの攻め方を客観的に見られたのも勉強になってよかったかも・・・」と、市原は、“ケガの巧妙”を素直に喜んでいた。