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つるやオープン 2001

▼ 初日、トピックス ラストのダボも「調子に乗るなってこと」

肩の力を抜いた加瀬が好スタート

 ラスト18番パー4は、1メートルのパーパットを3パットでダブルボギー。それまで7アンダーとスコアを伸ばして単独首位を走っていただけに、悔しくないわけはない。
 それでも加瀬は、笑顔で言った。

 「あのダボは、僕に、“調子に乗るなよ”という意味なんでしょう」

 悔しさを、やんわりと、やり過ごしているのだ。
 この姿勢が、今年の加瀬を象徴している。

 加瀬は、日本ツアー屈指のロングヒッターだ。だがこの日、パー5で奪ったバーディは、すべてアプローチで稼いだ。グリーン手前から、50センチ以内に寄せた。
 「無理して2オンを狙わない。まず、きちんとパーオンさせることを優先して・・・今は、パーを規準にしたゴルフをしようって、決めているから」

 96年の日経カップ優勝以来、目立った成績がない。
 その原因を、「気持ちの問題」と自己分析する。
 加瀬にとって、ほとんどのパー5は、チャンスホールといえるかもしれない。だが、それだけに、飛距離を生かせずパーに終わると、そんな自分が許せなくなってくる・・・それが昨年までの加瀬だった。
 「それに、5メートルでヨシというところも、1メートルにつけなくちゃダメだ、とか・・・だんだん自分でポイントを小さくしてしまった。“取りたい取りたい”と思うあまり、冷静な判断ができなくなっていたんですね」

 自分を必要以上に追い込んだことでからまわりし、昨シーズンは、終盤までシード権の確保に苦しんだ。
 最終戦のファンケルオープンiN沖縄で3位タイに入り土壇場で、ランク48位まで盛り返したときの気持ちが、今年の加瀬の糧となっている。
 「あの苦しかった経験で、かえって気持ちが楽になって、・・・自分を許せるようになった気がするんです。結局、僕の場合、“自分を許せる自分がいるかいないか”・・・なんですよね」
 気負いを捨てたことが、この日の好スタートにつながったようだ。