Tournament article
フジサンケイクラシック 2001
コースコンディション&大会みどころ山中博史・競技ディレクター
川奈を攻略するには、まず、前半の1番、5番、8番がキーホールとなるでしょう。
というのもこの3ホールは、“川奈”の特徴である、芝目の強い高麗芝の小さな砲台グリーン、シーサイドの風、アップダウンのきついフェアウェー、そしてアゴの高い深いバンカー・・・これらすべてが集約された難ホールといえるからです。
したがって、この3つはパーとボギーが背中合わせになったホール。この3ホールでトータル2アンダー、悪くても1アンダーにとどめておくのがまずひとつ、勝利の条件といえます。
1番パー4は、グリーン手前の深いバンカーがくせものです。ピン位置を左右どちらに振ってもこのバンカーが生きてきて、ピンを直接狙うほどリスクは大きくなります。
5番パー4は、ティショットが打ち下ろし、グリーンはポツンと砲台状で右はガケというこれまた難ホール。
8番パー4も、387ヤードと距離は短く残り距離は平均100ヤード前後になるものの、フェアウェーが激しくうねっていて、どこに落しても平らなライがない。しかもグリーン左には、7〜8メートルもの深いバンカーが口をあけているので、5番、8番ともに18ホール中、特に正確なショットが必要とされるでしょう。
一方、後半のキーホールは11番、13番、17番、18番の4ホール。
この4つで、2つは伸ばしておくことが最低条件です。
左ドッグレッグの13番、右ドッグレッグの15番を無事クリアして迎える17、18番は、2位とは、最低2打差をつけておかないと、100%安心できません。
特に、17番パー3は、日本ツアー屈指の難ホール。185ヤードと距離がたっぷりあって左にガケ、奥には深いバンカーが待ちうけ、しかもグリーンは固く、傾斜があります。この17番は、昨年のみならずほとんど毎年、難易度1位に輝いているのではないでしょうか。
この“魔の17番”でしっかりパーをキープしておけば、急激なアップヒルの18番を万一、ボギーにしても、逃げ切り優勝の筋書きが描けそうです。
今年の川奈は、雨が少なかったこともあり、ラフの成長が若干遅れています。
深いところでも、80ミリ。ラフに入れたペナルティは、少し和らぐかもしれませんが、スピード9フィート、コンパクション13の、硬く小さいグリーンに乗せていくのは、至難の業です。やはり、確実にフェアウェーに置く正確なティショットがカギを握ります。
上位のシード選手が何名か休んではおりますが、逆にいうと、それだけ接戦が期待できるということ。
毎日のピンポジションも、できるだけ、もつれる展開が望めるセッティングにして、観戦してくださるファンの皆さんにも、ワクワクとした気分を味わってもらいたいと思っています。
毎年、アマチュアゴルファーによるアンケートで、「日本でもっとも憧れのゴルフコース」に選ばれる人気の川奈。ここでツアープレーヤーたちが、どんな戦いを見せてくれるのか−。こうご期待です。