Tournament article
ダンロップフェニックス 2002
「セベを、思い浮かべた」
17番パー3で、左林に打ち込んで大ピンチ。
そのとき、ガルシアの脳裏に、偉大な先輩の顔がよぎった。
この日同組のダレン・クラークのキャディが、かつてバッグを担いでいたプレーヤー、スペインのセベ・バレステロスだ。
「ベリー(クラークのキャディ)の顔を見たら、ふと彼のことを思い出して。とにかく、ここはセベのようなアプローチをして、パーで上がろうと、思ったんだ」
同郷のセベは、ガルシアがデビュー前から折に触れて指導を受けたり、尊敬している大先輩だ。
全盛期は、どんなトラブルショットも、天才的な小技を駆使して切り抜け、ファンを魅了した。
そんな彼のイメージを再現してピッチングウェッジで振った、残り13メートルのアプローチは、手前のラフで1バウンドしてからグリーンを転がって、直接カップイン。
ピンチから一転、バーディをもぎ取って、「これには自分でもビックリ! まさか、入るとは思ってなかった。大きな1打だったね」
ここフェニックスCCは、「リスクにチャレンジできる」(ガルシア)ワンオン狙いの13番パー4などもあり、「大好きなコース」だ。
99年には、プレーオフの末、2位にもなっている。
この3日間、パー5でのバーディが少ないが、
「明日こそ、全部イーグルで優勝、…かな?(笑)」
通算9アンダーの単独4位は、首位の横尾と4打差。
世界ランク5位で宮崎に舞い戻った今年、3年前の雪辱を、晴らすときがやってきた。