Tournament article
サン・クロレラ クラシック 2002
「今夜は、彼にご馳走しなくちゃ!」
ホールアウト後、アンドルーズは真っ先に、感謝の握手を差し伸べた。
同じ組の田島創志だ。
インスタートの14番パー4で、バンカー目玉からの、アンドルーズのアプローチ。「そのまま行っていれば、大きくオーバーしていた」というショットが、先にピン手前60センチにつけていた田島のボールに当たって、チップインバーディ。
「ビックリしましたね。このラッキーは、彼のおかげ。今夜はおごらなくっちゃ(笑)」
12番からの4連続バーディには、そんなドラマもありながら、7バーディノーボギーでホールアウトした。
もっとも、この日の好スコアの要因は、単にラッキーばかりではなく「スマートな戦略」(アンドルーズ)にもあった。
前日の練習日までは、やみくもにドライバーを振っていたティショット。
「強風、ドッグレッグ、意外と狭いフェアウェー」等々を考慮して、2アイアンなどで打つホールを増やした。
飛距離より、フェアウェーキープ重視のラウンドで、日本ツアーにやってきて今年11年目にして、初の単独首位発進。
「う〜ん…、そうなんだ。日本に来て長いのに、まだ勝ててない…(苦笑)。今週、このチャンスをうまくつかめるといいけど」と、空にむかって祈るように、両手を合わせたアンドルーズ。
翌日のプレーでも、堅実なマネジメントと、ほんの少しのラッキーで、長年の夢が、実現するよう願っている。