Tournament article
フジサンケイ クラシック 2002
< 上位選手のコメント&トピックス > 「二の舞にはならないように…」
6アンダーでの、首位発進にも、安心できなかった。
プレスインタビューで、久保が何度も繰り返した言葉は、
「二の舞にならないように…」
開幕2戦目のダイドードリンコ静岡オープン初日。
強い風の中、6アンダーをマークして、4位タイの好発進したのだが、翌2日目には7オーバーを叩いて、1打足りずに予選落ち。
「今日はあのときと同じ“静岡”で、しかも、回った人が同じ“陳(志明)さん”で、スコアも同じ“6アンダー”で…。今日の“同じ”はいいけれど、明日まで“同じ”にならないよう、願いたいものです(苦笑)」
しかも、「今季全敗」というように、まだ、1戦も予選通過を果たしていない久保にとって、この日の首位スタートより、2日目以降のことが気にかかるのは、当然だった。
今週は、攻めの気持ちが、テーマなのだという。
所属先の高根CC(埼玉県)のメンバーさんの中に、久保が出る試合にはほとんど会場に来て、18ホールついて歩き応援してくれる人がいる。
3週前のつるやオープンで、1打足りずに予選落ちしたとき、その人物が、何気なく言った一言。
「気持ちが、ピンに向かってないんじゃないのかな?」
確かに、「セカンドショットでショート、アプローチでショート、歩パットでショート…」久保自身にも、思い当たるフシが、たくさんあった。
「たとえば、右のバンカーが怖い、と感じたら、以前の僕はただ、そこから“逃げる”だけだった。それで、逆に左にミスしたりしてボギーにしたりしてたんです。
でも今週は、“右のバンカーが嫌なら、左からこういう球を打てばいい”とように、球筋をイメージして打つようにしてる。嫌なものが先にあるから、じゃあ、そのためにはどうする? という考え方でゴルフをしようと思って」
以前は、「シングルだった」(久保)そうだが、「今は100を切るのがやっと」という腕前の、いちアマチュアゴルファーの言葉をありがたく受け入れ、この日の好スコア。
試合に出ないときは、所属コースのキャディマスターとして働く久保には、他にも、心からの応援を送ってくれるメンバーさんたちがたくさんいるそうだ。
そんな人たちの暖かい声を励みに、久保は懸命に戦っている。