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日本プロゴルフ選手権大会 2002
< 今日のひとこと >・ 「みんなと同じ感動を」
スコアマーカー、速報ボード、ギャラリー整理に、練習場整理などなど、延べ約1000人以上のボランティアの方々が参加している今大会。
“無償の力”に支えられているのは、大会運営だけではない。
コースメンテナンスのスタッフも、ボランティアで構成されているのだ。
もう3年も前から、今回の舞台創りに尽力してきた開催コース『KOMACC』のグリーンキーパー・川上登さん(=写真上の左)は、「グリーンの仕上がりことを考えると、夜も眠れない日もあった」というほど、本番まではプレッシャーとの戦いだった。
だが、「本戦に入ったら、なんだか急に大船に乗った気がして。安心しきっています」
地元・奈良県のほか、三重、滋賀、大阪、兵庫、和歌山の近隣6県のコースから、グリーンキーパーや、コース管理課スタッフら、延べ122人が、応援に駆けつけている(=写真中)。
この日初日に集まったメンテナンスボランティアは50人。
朝5時に、17番ホール奥のコース課に集合したあと、グリーン刈り、フェアウェー刈り、バンカー整備、カップ切りなど、仕事割が発表され(=写真下)、めいめい、コースに散っていった。
夕方は、3時に再集合。最終組のあとを追いかけて、翌2日目の準備に余念がない。
今大会のため結成された“メンテナンスのスペシャリスト集団”に、川上キーパーも、絶大な信頼を置いている。
KOMACCでの本大会の開催が決まったとき、川上キーパーは、近隣各コースに、手書きで、ボランティアの参加を呼びかける手紙を、送っている。
その中に、こんな1文がある。
『みなさんと一緒に、同じ感動を味わいたい−』
この申し入れで、当初の予定をはるかに上回る27コースからの参加申し込みがあったという。
川上さんは言う。
「普段のお互いの環境は違っても、同じものを追い求める仲間として、一緒に、大会を盛り上げたいと思った。最終日には、今回参加してくれたボランティア全員が“すばらしい舞台だった”と、言いあえるコース創りが、できれば」。
その日までまだあと2日、川上さんの眠れない夜は続く。