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日本プロゴルフ選手権大会 2002

< 上位選手のコメント&トピックス > ・ 「いちばん良い回答が、欲しいんだ」

 前人未到の大会最多記録&ツアー最年長優勝記録にジャンボが挑む

 大会は、連日どんよりした雨模様だが、ジャンボの心には、晴れ間がのぞいている。
 ラスト18番は、手前バンカーから寄せきれずに、7メートルのパーパット。ど真中から、“ズドンッ!”と決めると、すかさず、人差し指を突き立てた。通算4アンダーは、トップタイ。
 「今日の後半のゴルフなら、80点。やろうとしていることが、できてくれば、先は見えてくる」

 勝ち星に見放されて、1年と9ヶ月。
 ショット、パットともに、試行錯誤の日々だったが、「今日は、納得できるのが、3発あった」と、まずはパッティングに合格点。
 ショットに関しても、11番のパー3で、バンカーに打ち込んだティショットでひらめくものがあり、次の12番からグリップに工夫を加えることで、「良い感触になった」と、満足顔だ。
 「ここ2、3週、ティショットが思ったより高い球になっていた。もうちょっと、ライナー気味の強い球が欲しくていろいろやってきたんだけれど、今日、納得度のもっとも高いショットは17番。『これを打ちたかった』という理想の球が、出たね」と、
 プレー後しばらくたっても、そのときの好感触に、酔いしれる。
 2日間、終了時点のドライビングディスタンスも、堂々のトップだ。

 「パットだって、そんなに意識しないで出来ている。それって、かなり良い傾向なんだ」

 55歳になっても、なお衰えぬ貪欲な探究心。
 「その中で、さらに良いものを見つけるのは大変なパワー」(ジャンボ)だが、それがかえってストレスになり、足かせとなりうることも、承知の上。
 それでも、「いちばん良い回答が、欲しいんだ」と、妥協する気はない。

 「勝つためには、心の余裕が必要だ」とジャンボ。
 「大きな口を叩くには、明日、あさっても今日のようなゴルフができて、貯金ができて、それからだ」とは、常勝時代から思えば、ずいぶん控え目な言葉だが、それがいっそう、ジャンボの“勝ちたい”気持ちを、際立たせている。