Tournament article
〜全英への道〜 ミズノオープン 2003
『頑張った分のご祝儀をいただける、という感じかな』52歳の山本善隆が「体にムチ打って」単独2位
先週は、大会3日目の夜に、足のこむら返りを起こした。この日の3日目も左半身がなんとなく痺れ、偏頭痛がしている。
開幕から11試合中、10試合に出場し、予選落ちは1回だけ。レギュラーツアーの空き週だった先々週は、シニアツアーに出場し、「若い人らが休んでいるときも、必死で働いてるからね(苦笑)」ほぼ出ずっぱりのスケジュールに、疲れは、いまがピークなのだ。
それでも通算9アンダー、1打差2位。こうして優勝争いをしているのは、ひとつは、昨年から飛躍的に伸びたドライバーの飛距離にある。
30ヤード増の280ヤードドライブの秘訣は、「新しく使いはじめたドライバーのおかげ。特に意識せず、普段どおりのスイングがちゃんとできていれば距離が出る、という安心感。だからいま、ゴルフが楽しくて仕方ない」という。
発奮材料もある。
今年、所属先との契約が切れ、「年間800万円はかかる」というツアー遠征費を、自力で捻出しなければならなくなった。「稼がなあかん、と思うとハングリー精神が沸いてきて。自分にムチ打って頑張ってす。・・・まあ自分でも、ようやっていると思うけどね(苦笑)」。
2000年、サンクロレラクラシック以来の最終日最終組は新時代のベストスインガー、伊沢利光との直接対決。
山本もまた、デビューした70年代にツアーNO.1のスインガーのひとりと呼ばれた男だが、「周りは関係ない」とキッパリ。
「プレッシャーはね、きっとすごいと思うけど、僕は僕なりに楽しいゴルフをするだけやから。勝ったら全英・・・? そうやねもしそうなったら、頑張った分のご祝儀をいただけるんや、という感じかな(笑)。優勝したい人はしてください。僕は別世界でゴルフをするだけ」最後まで、無欲を強調していた。