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ウッドワンオープン広島ゴルフトーナメント 2003

『明日もみんなに文句を言われるスコアを!』4位タイの菊池純

今週、さっぱりと頭を刈り上げた菊池が、好スタートを切った。「今日はパットが完璧だった。なんだか、先週までがウソみたい!」。
今年は、開幕から予選落ちの回数が多い。毎週、練習ラウンドではそこそこスコアが出るのに、本番になると思うように伸ばせない。
「ずっと、イライラがたまっていて…」。
今大会では、「思い切って気分転換をはかろう」と練習日の火曜日はコースに出向かず理容店で「ほとんど坊主(笑)」(菊池)に散髪をし、水曜日は打撃練習とパッティンググリーンだけにとどめた。
ラウンドはあえてしないで、デビュー以来、はじめての「ぶっつけ本番」でのぞんだ。
「そしたら、いきなり良いスタート! 今年の八本松はいろいろ改造されてとまどった部分もあったけど、それもかえって新鮮でよかったのかも」。ホールアウト後は、仲間から羨望のまなざしを受けた。菊池のほかに、今年、不調を訴えている選手でチームを組んで、互いに励ましあっている。シード2年目の堺谷和将や宮里聖志、国吉博一らがそのメンバー。彼らが菊池に、口々に声をかける。
「なんだよ純ちゃん、絶不調って言ってたの、うそじゃん!!」。多少、腹立ちまぎれに言ったのは堺谷。この日も、スタート前に全員で「頑張ろう」と話し合って出ていっただけに、「純君に良いスコアが出て良かったと思う反面、裏切られた気持ちもちょっぴり・・・なんですよね」(堺谷)。

また最終の9番では、同組の矢野東とのちょっとした賭けに発奮だ。互いに会心のティショットでフェアウェーをキープしたとき、「ここでバーディを取ったほうが、昼飯をおごろう」という話になった。“名誉”をかけて放った残り150ヤードの第2打は、ピン手前3メートル。矢野も同じような距離に乗せたが外し、バーディフィニッシュで4アンダー4位タイにつけた菊池に軍配だ。
堺谷の次は、今度は矢野がほっぺたを膨らませて言う。「純ちゃんの今日の好スコアは、俺のおかげなんだからね!」。
「だからちゃんと、ご飯、おごるって言ってるじゃない!!」と矢野の背を押して、八本松のレストランへの階段をあがっていきながら、「明日も、今日みたいにみんなに文句を言われるようなゴルフをしたいな!」と言ってこっそりと舌を出した菊池だった。
写真=なぜか良いスコアを出して、矢野東(=中央)や堺谷和将(=右)から非難を浴びる(?)菊池=(左)。

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