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久光製薬KBCオーガスタゴルフトーナメント 2003

『コース課の仕事が、役に立っています』相沢敏弘が芥屋の高麗グリーンを読みきって3位タイ

本格的にプロの道を目指したのは24歳と遅かったが、それまでの“経験”をしっかりと生かして、好スタートだ。
東北工大電子工業高校(宮城県)を卒業後、ベアリング工場に就職したものの「僕には向い てなかった」と3週間で退職。そのあと、つてを頼って再就職したのが地元・仙台の泉パー クタウンゴルフ倶楽部だった。コース管理課の仕事をしながら、すっかりゴルフには まって しまった相沢の人生を大きく変えたのが、就職して4年目の89年、JCBクラシック仙台 (当 時名称・仙台放送クラシック)だ。系列コース所属の久保田剛司(たかし、当時は 孝)プロ が、同大会に出場した。そのとき、キャディとしてトーナメントを経験し、「僕もお 客さん の前でゴルフをがやりたい、と痛烈に思ってしまったんですよ」。4年後に一念発起 で福島県のラフォーレ白河ゴルフコースの研修生となり、さらに4年後の97年、30歳 でプロテストに合格した。
今週の舞台、芥屋ゴルフ倶楽部はトーナメント開催コースでも数少ないコウライグ リーンだ。目が強く、クセがある芝に苦手意識をもつ選手が多い中で、相沢はラインを読み きっている。コース管理として務めたコースも、ここと同じコウライだった。「読み方は心得 てます 」。カップのまわりをグルリと1周するだけで、順目と逆目を見極められる。あと は、芝目に影響されないよう、強めにボールをヒットしていくだけ。このセオリー で、この日初日 は1番で7メートルのバーディ、最終18番では右手前の5メートルのイーグルチャンスをがっちり沈 めてス コアを伸ばした。「あのときの、コース管理の仕事がいま役立っていると思うんです よ」。
ツアー本格参戦1年目の今年も後半戦に差し掛かり、「ようやく慣れて、スコアの作り方も分かってきた」と余裕と自信も出てきた。目標にしている初シード入りを目指して、「とにかく、残り試合も精一杯戦っていく」35歳、決意の夏だ。