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日本プロゴルフマッチプレー選手権 2003

「かなり、がっくりです」

前半の18ホールで一時は3ダウンを食らいながら、1アップまで盛り返した。勝利の女 神が微笑みかけた矢先、思わぬ不運に見舞われた。
26ホール目の8番ホールだ。
スメイルは、第2打を4.5メートルのバーディチャンスにつけていた。対するハミルト ンも、スメイルよりピンまでわずか10センチほど近いだけで、ほとんど同じ距離だっ た。先にバーディを決めれば、かなりのプレッシャーを与えられる。
慎重にグリーンを読んで、よどみないストロークで打ったスメイルのバーディパット は、完全にラインに乗っていた。
「入る!」と確信したその瞬間だ。ボールが、カップの手前でわずかに左に切れた。 呆然と、立ち尽くしたスメイル。あとでよく見てみると、そこにはほんのわずかだ が、芝が へこんでいる部分があった。それにボールがキックしたのだ。絶好のチャンスを逃 してしまった。「これには、かなりがっくりしましたね・・・」。
この一部始終をじっと見つめていたハミルトンは、冷静にバーディパットを決めた。 プレッシャーどころか、相手に付け入るスキを与えてしまった。このあと、再びスメ イルは連続 3ダウンを喫して、あとは完全にハミルトンのペースだ。
最後の最後には、チップインバーディで仕留められて万事休す。「もう、あれで完敗 でしたね。ハミルトンは、すばらしい優勝シーンを見せてくれました」4日間、激戦 を戦いぬ いてきた男は、あと一歩で栄光を逃した無念さは押し隠し、そうサバサバと言ってさ わやかな笑顔で、勝者をたたえ た。