Tournament article
ANAオープンゴルフトーナメント 2003
最後の最後に大どんでん返し、大会連覇と8勝目、自身が持つ最年長優勝記録の更新 は寸前で打ち砕かれた
17番パー5。昨年の30回大会でドラマを作ったホールで、今年もティショットをあの ときと同じ右林に 打ち込んで出しただけ。第3打はグリーン手前のバンカーに打ち込み、絶体絶命のピ ンチ。しかしこれを2メートルに寄せてパーで切り抜けた。
1打のリードを保って迎えた次の18番で、いよいよ悲劇が待ち受けていた。
ドライバーで打ったティショットは、左足上がりのライ。「球がつかまらないよう打 とうとしたら体の 回転が止まってしまって・・・」逆に球がつかまりすぎて、ボールはグリーン奥のラフ の中。3打目のアプ ローチは、ピンを6メートルオーバーだ。「アプローチした時点で、プレーオフを覚 悟した」とジャン ボ。
その直後だった。ジャンボの目の前で、葉が10メートルのバーディパットをねじこん だのだ。葉から、 思わず力強いガッツポーズが飛び出した。その様子をじっと見詰めていたジャンボ ・・・。
「相手が、ああいう、難しいパットを入れてきたんだ。・・・仕方ない」
6メートルのパーパットを外してプレーオフに進むチャンスさえ逃したジャンボは、 悔しさを押し殺して葉の手を握った。
「おめでとう!」。
大会連覇と8勝目、自身が持つ最年長優勝記録(56歳7ヶ月28日)の更新は、寸前で打 ち砕かれた。