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〜全英への道〜 ミズノオープン 2004
新顔の3人が、初優勝とともに、初のメジャー切符を目指す
上田(=写真上)は、父・秀治さんのてほどきで12歳からゴルフを始め、名門・日大に進学。片山、宮本、横尾の3強と、今年初優勝をあげた三橋達也と神山隆志らの2つ後輩だ。
そのうち三橋、神山は今季、上田と同じファイナルQTからの参戦だった。
6月のJCBクラシック仙台で勝った神山に、お祝いの電話をしたときの言葉が心に残っている。
「俺にもできたんだから、お前も勝てるよ!」それが、今の上田の支えだ。
初参戦のツアーは当然、どの大会も初めての会場ばかりで、毎週、戸惑うことばかりだった。特に速くて硬いグリーンになかなか馴染めず自信が持てなかったが、今週はハウスキャディのアドバイスを信じきって打つことで、きっかけをつかんだ。
「今週のキャデイさんはほんとにすごくて、毎ホールすべて読みが完璧なんです。僕とも意見が一致しているし、頼りになります」と、2日目から連続で自身ツアー初の 60台をたたき出し、首位タイで最終日を迎える。
5位タイの飯島(=写真中)は、前日の2日目に続くボギーなしの68をマーク。練習日に受けた真野佳晃からのワンポイントアドバイスで、上昇のきっかけをつかんだ。
もともとはアプローチに関して「ダウンスイングからインパクト、フォローにかけて左肩が浮かないように意識すると、左に行かないよ」と教えられたのを、飯島はパット、ショット時にも応用することで、左に行く傾向のあったミスショットが出なくなった。その結果の首位と1打差の10アンダー。「この大会の最上位者には、全英オープン出場のチャンスがある」と気がついて、改めて知る事態の大きさに、「・・・とにかく、頑張ります」と答えるのが精一杯だった。
7位タイの清水(=写真下)は、脱サラプロだ。27歳までの9年間、埼玉のイトーヨーカ堂でスポーツ用品の販売を担当していたが、ただただ「もっと趣味のゴルフがしたい」という欲求だけで転職。テストを受けてゴルフ場連盟の研修会に入り、練習場に勤務しながら練習を積むうちに、プロの道が開けていった。
34歳のとき、3回目の挑戦でプロテストに合格。41歳の今年、ようやくツアー出場にこぎつけたのだ。
先月30日、父・高徳さんが72歳で急死したのと同時に、妻・美和さんのおなかに待望の第一子を授かった。
新しい命の誕生に、予選落ちの続くパパを、美和さんが叱責した。「この子のためにも、ちゃんと稼いできてね!」この言葉に発奮。今週の好スコアにつながった。
いずれも、新顔の3人。初優勝と、初のメジャー切符をかけて、どこまで食い下がれるか、注目が集まる。