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サントリーオープンゴルフトーナメント 2004

加瀬秀樹「今回は勝つ、と思ってやる」

通算8アンダー首位タイでのぞんだこの日3日目のインタビュー。長男・哲弘君をともなって会見場にあらわれた加瀬が、珍しくはっきりと言い切った。
「今回は、勝ちを意識してやります」。
息子を前にして、格好をつけているわけではない。そう宣言できるだけの好材料が、揃ったからだ。
つい最近まで悩みを抱えていたグリーン上。特に苦手だったスライスラインの克服法が今週、見つかった。「詳しい内容は話せない。言うと明日、絶対にダメになっちゃうから」と名言は避けたが、実際にこの日3日目は、昨年5月から一度も“浮気”をしていない長尺パターが、冴え渡った。

6番で10メートル、17番で13メートルなど、長いチャンスを決めただけでなく、4番や5番、9番の2メートル前後のパーパットをねじ込んで、幾度もピンチをしのげたことが大きな自信となっている。

4位タイからスタートした2週前のサン・クロレラクラシック最終日。バック9で「そっちにはつけたくない」と思えば思うほど、チャンスがスライスラインばかりにつき、それが大きなストレスにもなった。
「でも今週は『別に大丈夫』と思えるから。ひとつ考えることが減って楽にプレーができているんですよ」。気持ちも前向きに、飛び出した勝利宣言。
「いつも、勝ちを意識しなさすぎてダメだから、今回はパターンを変えたいんです」。
今週は、千葉県・習志野市の自宅から、車で40分かけて通う加瀬にとって、ここ総武は地元だけに気合の入り方も違う。
「最近、ずっと優勝争いが続いている。・・・そろそろ、勝ちたいですね」。
力強く言葉を重ねる父を、かたわらの哲弘君がまぶしそうに見つめていた。
  • 長男・哲弘君とのぞんだインタビュー。競技を終えて、父の顔に・・・。

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