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JCBクラシック仙台 2005
高見和宏「ゴルフが出来る喜びを、かみ締めています」
調子は、けして悪くない。ただ若干、アプローチ、パットのかみあわせが悪く、スコアに結びつかない。ぼやく高見に知人が言った。
「せっかく今年シード復帰して、出ようと思えばぜんぶでも、試合に出られるっていうのに。くさったりするのは、もうやめましょうよ」。
ハっとさせられた言葉が、「今週も、心に残っています」。
昨年のカシオワールドオープンで、30位につけて賞金ランク72位に食い込んで、逆転で4年ぶりのシード復帰を果たした。
深刻な首痛と格闘しながらようやく取り戻した出場権に、思わず男泣きしたものだ。
「それほどの思いをして今年、こうして試合に出られるのだから・・・。今週は、ゴルフができる喜びをかみ締めながらやろう、と。その上、こうしてスコアが出たら、ほんと、言うことないですね!」。
先週まで不調だったアプローチが冴えた。
出だしの10番で、ラフからのアプローチをOK距離につけてパーを拾うと、11番では左ラフから打った第2打が、カップをなめて奥1メートル。勢いに乗って、このあと3連続バーディを奪ったが、「そのあとも、惜しいのが一杯あって。パットが入っていれば、8連続もありだった」と、いうほど絶好調。
後半の6番では、グリーン左に外した「難しいアプローチ」を1メートルにつけてしのぎ、この日初日はボギーなしの64をマークした。
「幸先の良いスタート」に、ホールアウト後もつい、練習したくなる欲求を、懸命に抑えている。
首痛の不安はひとまず去ったが、いまは右ヒジに痛みがあり、医者から「ほどほどに」と、言われている。
45歳を迎えて、気持ちと体のギャップをますます痛感するようになった。
「気持ちは30代なのに(笑)、そうやって、ふいに体が悲鳴をあげたりする」。体調と相談しながらのプレーだが、「ビビったり逃げたりせずに、ゴルフを楽しみたい」。
久しぶりの好スタートに心弾ませている。