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〜全英への道〜 ミズノオープンゴルフトーナメント 2005

飯塚信太郎「失うものは、何もないから」

今大会は、全英オープン日本予選の最終戦。対象6試合を合計した予選ランク上位2人のほかに、最終日に上位4人に入れば、その出場権が手に入る。誰もが目の色を変える世界最高のメジャー切符。その射程圏にいながら飯塚は、「うう〜ん・・・、まずはお金と相談しないとね」と、苦笑交じりに首をひねった。

今大会が、今季ツアー初参戦だ。
本来なら、マンデートーナメントなどにもっと積極的に挑戦していきたいところだが、遠征費がままならない。

最近では、自宅から遠くない関東近辺で開催されるチャレンジトーナメントやミニツアーばかりを選んでエントリーするのがもっぱらで、この大会もちょうど今年から、予選会場が関西と関東の2箇所に増えたことを幸いに、参加を決めた。
4月26日に静岡県のリバー富士カントリークラブで行われた関東予選会を5位で突破して、本戦への出場権を手に入れた。

93年に出場権を失ったあとは、鳴かず飛ばず。そんな飯塚にはメジャー切符よりも、「とにかく、賞金と出場権」。
切実な思いは隠せない。

首位タイに立った前日2日目は練習を終えて、携帯電話の電源を入れると30件以上の留守番電話が入っていた。活躍を期待する、家族や友人からだった。
この日3日目は、大ギャラリーに囲まれて、「心地よい緊張感」の中でのプレー。
「勝負の世界でやる楽しさ」を実感し、「戻ってきたい」という思いを強くした。

最終日最終組は、デビューした93年のよみうりオープンで、経験して以来だ。
「失うものは何もないから。・・・とにかく、思い切って頑張りたい」。
人生の、一発大逆転を狙う。


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