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つるやオープンゴルフトーナメント 2005

尾崎直道「とにかく明日、見ててよ」

いまの女子プロ人気も、いちゴルフファンの眼で眺めている。「若い子たちがね、何かを目指して一生懸命にやっている。その気持ちが伝わって来て引き付けられる。見ていてスカっとする。気持ちいいよね!」。
それにひきかえ、48歳を迎えた自分はといえば「年齢とともにグっと下り坂。その勾配をなんとか、平行に保つので精一杯なんだ。そんな俺が“男子ツアーを盛り上げます”なんて、いえると思う!?」。

全盛期には、サインを求めるファンが長い行列を作ったものだ。
しかしこの日は、サインエリアで直道を待っていてくれたのは「たったの2人」だった。
「俺のプレーを、期待してくれるファンなんてもういないのではないか・・・」と、感じてしまう。

目標を、見失いつつある。
あと2年でシニア入り。「アメリカに、挑戦しようか、とも思っている。それをモチベーションにしようかな、って」。
その一方で、兄・ジャンボのようにレギュラーツアーで、いつまでも気を吐くという手もある。
「迷っているんだよ。どうしていこうかなって」。
とりあえず今年は、はじめスローペースで行く、と決めていた。昨年、入れ込み過ぎてシーズン序盤に、腰を痛めたからだ。

それを反省にセーブしようと考えていたが、戦っていく上で「どうしても、渾身をこめて打たないといけない」場面がある。

強い風、固くて小さいグリーン。「ボギーとバーディが紙一重のコンディション」で、この日2日目は1ホールたりとも気が抜けない。
打ち上げの最終18番。第2打が、バンカーのアゴにつかまった。ピンチを迎えて、「体が勝手に反応した」。
7アイアンで、「必死に掻き出したショット」は、手前2メートル。バーディの締めくくりに、気持ちも自然と高まっていく。萎えかけていた闘志が沸いてくる。

通算6アンダー首位タイで決勝ラウンド進出。
今季2戦目にして「思いのほか良いスタートが切れたからね。・・・まあとにかく明日、見ててよ」。
いくつになっても、諦めないのが身上だ。

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