Tournament article
東建ホームメイトカップ 2006
谷昭範が単独首位に
「ここまで来たら勝つしかないでしょう」。満面の笑みで、言い切った。
台湾で生まれ、15歳まで過ごした帰国子女は、小学3年から母親の勧めで始めた囲碁で、プロも目指したほどの才能を持つ。
小学校6年時に一時帰国して、院生になり石井邦雄・九段に師事しながら、その後わずか1年でゴルフに転向。
姉で女子プロの美稀子さんの影響で、自身もプロの道を目指した。
98年にデビューし、翌年のブリヂストンオープンでハーフ29をマークするなどしたが、スイング改造に取り組んだこともあって、そのあと5年間は鳴かず飛ばず。
昨年のチャレンジトーナメントで2勝をあげ、同ランク4位の資格で今シーズン前半の出場権を獲得した。
囲碁でも、ゴルフでも、とことん突き詰める姿勢は同じ。
「完璧なスイングはひとつしかない。大雑把ではなく、ちゃんと答えを出したいタイプ」と、自己分析するが、関西メディカルスポーツ学院の魔季れい子コーチと取り組んできたスイング改造で、求めてきたその答えも出つつある。
今でも時々「囲碁の世界でプロになっていれば良かったかな」と思うこともあるそうだ。
「なんか囲碁のほうが、知的っぽい気がして」と笑ったが、もし勝てば囲碁もできる知的なプロゴルファーとして名前が売れそうだ。