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〜全英への道〜 ミズノオープン 2006

地元・笠岡市に支えられ・・・〜全英への道〜ミズノオープン

トーナメントの成功は、地元の協力なしにはありえない。大会と、周辺地域と。両者ががっちりと手を組み、共に足並みを揃えて歩んできたのが、この『〜全英への道〜ミズノオープン』でもある。

今大会が、ここ岡山県の笠岡市(かさおかし)にあるJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部に会場を移して今年で9年目になる。
大会名にもあるとおり“世界メジャーへと通じる道”というのがこの大会の一番の特色だが、地元の取り組みもこれにならった。

「・・・もちろん、『世界へ』とまではいかないですが(笑)、大会を通じて笠岡市を全国に広めていこう、と。その取り組みが年々、盛り上がりを見せているんです」とは、笠岡市教育委員会スポーツ推進課統括の白髪幸男さんだ。

たとえば、一昨年前から大会で行われている週末の“親子ボランティア”も、その一環だ。
親子の触れ合いと奉仕の精神を育てるという趣旨から、同市の教育委員会を通じ、市内18の小学校に事前募集をかける。
それが、ひいては大会のPRをかねることになる。

会場で行われているチャリティー・パットパットゴルフトーナメントも、笠岡市の運営。入賞者には、豪華なミズノ製品があたる。収益は、笠岡市の福祉に寄付される。
そのほか、開催直前の火曜日にはツアープレーヤーによる地元・児童養護施設の訪問なども行われている。

本戦の会場では、ギャラリープラザに出展する笠岡市のブースも活気に溢れていた。
笠岡市には日本で2位の広さを誇るといわれる『笠岡湾干拓地』がある。
そこで収穫された果物や野菜が売られているが、販売員たちはみなその作物を作った農家の人たち。

しかも、みな若い後継者のみなさんで、「笠岡市で獲れたばかりの美味しい野菜です!!」と、自ら丹精こめて育てた地元の特産品をPRしていた(=写真中)。

“桃農家”の人は、自ら育てた桃をミキサーにかけてギャラリーに無料で振る舞う。
最終日には、地元・酪農家のみなさんも来て牛のモモの丸焼きを、やはり無料で振る舞う予定だ。

通称“桃シェイク”は、雨にたたられた予選2日間に選手たちにも配られた。
桃農家の方々が自らクラブハウス内のラウンジに運んでくださったそのジュースは、選手たちにも好評だった。同市・市長部局企画制作課陸援隊の森山一成さんは、その成果に目を細める。
「トッププロのみなさんから実際に美味しいという言葉を聞くことで、地元後継者たちの意欲はますます高まります。もっと美味しいものを作ろうという気にさせてくれる、何よりの薬」と話す。

大会が盛り上がれば盛り上がるほど相乗効果で地元・地域も活性化される。そして、それがひいては大会のますますの発展につながっていく・・・という具体例がこの〜全英への道〜ミズノオープン。

「大会を通じて、もっと笠岡市のことを知っていただきたい」(白髪さん、森山さん)。
会場は、その空気でムンムンしている。

写真下=この日3日目、“親子ボランティア”に参加してくださったのは、21組のみなさん。今年2度目の参加となった河合秀和さん、孝典くん(大井小学校5年)は選手のスコアカードのコピーを関係各所に配る係を担当。「プロのプレーはすっごくカッコよかった。僕も、プロになります!」と孝典くんは元気いっぱいに答えてくれた。