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サントリーオープンゴルフトーナメント 2006
井手口正一「こんなに良いスタートが切れたのは初めてです」
なぜか20ヤードもショートして、手前のバンカーに打ち込んだが無理もない。
クラブを持ち違えた。残り102ヤードでピッチングサンドを握ったつもりが、実はサンドウェッジだったのだ。
キャディに「それ、PSですよ」と言われてずっこけた。どおりで、「届くわけがない」。
思わず「打つ前に教えてよ」と苦笑いでぼやいたが、あとの祭りだ。
しかし、この日の井手口はそれまでにも見事なセーブを見せるなど、バンカーショットには自信があった。
この失態にも動じなかった。
そして、気を取り直して打った第3打を、直接入れてみせたのだ。
ピンチから一転してバーディに「気持ちが切り替えられた」。
13番、15番のボギーで漂い始めた嫌なムードも吹き飛んだ。
後半の3バーディで単独2位の好発進に「ツアーで、こんなに良いスタートが切れたのは初めてです」と笑顔になった。
シニア認定プロでもある父・一幸さんの手ほどきでゴルフを始めたのは12歳のとき。
名門・近畿大学に入るも「簡単になれそうだ、と勘違いした(笑)」。
すぐに中退してプロの道を目指したが、甘くはなかった。
5回の受験ののち、プロ転向を果たしたのは99年。
そのあとも稼げない時期が続いていた。
昨年、二部ツアーのチャレンジトーナメントで2勝をあげてランク1位。
今季前半戦の出場権を獲得すると、6月のJCBクラシック仙台で8位タイ、セガサミーカップで10位タイ。
ようやく初シードへの道が見えてきた。
まもなくツアーは、秋の陣。
終盤戦に差し掛かるほど、井手口には出場できる大会が減っていくだけに「早いうちになんとか(獲得賞金)1400万円は超えときたい」。
良いスタートが切れた今週こそ、正念場となりそうだ。
井手口正一(いでぐちしょういち)プロフィール
1972年11月5日生まれの33歳。熊本県出身。
シニア認定プロの父・一幸さんのてほどきでゴルフを始めた。
昨年のチャレンジトーナメント『PGMかさぎチャレンジByJGTO』『PRGR CUP関西』で2勝をあげて2005年度賞金ランク1位に。
その資格でツアー前半戦の出場権を手にした今季は、伊澤利光に直談判。
「毎週、一緒に練習ラウンドしてもらえるようお願いして、トップの技をいろいろと勉強中です!!」。