Tournament article
カニトップ杯チャレンジトーナメント I 2006
井手口正一はプレーオフで破れ、チャレンジトーナメント3勝目を逃す。
先に打った井手口のティショットは大きく曲がり右の林に。ライが悪くグリーンも狙えないためフェアウェイに出すだけとなり、続く117ヤードの3打目を8メートルにつけた。
対して溝渕は右ラフからパーオンし、続くバーディパットを1メートルショート。
井手口は入れなければ負けという8メートルのラインをねじ込みガッツポーズ。逆に溝渕のパーパットを待った。
溝渕は井手口の執念のパーパットを目の当たりにして、「これを外して負けちゃうんだな」と弱気になったが、残り1メートルを「自分を信じて」打ち、パーを堅持した。
いったん脱落しかけた井手口は、このパーパットを沈めて「流れがきたかな」と思ったという。
続くプレーオフ2ホール目。18番ホール523ヤードのパー5。
井手口のティショットはフェアウェイど真ん中をとらえ、今度は溝渕にプレッシャーを与えた。
対する溝渕は左のラフへ。
しかしセカンド地点に行ってみると、井手口のボールは、うねりのあるフェアウェイ中央の大きなこぶの傾斜に不運にも止まり、膝の高さほどのつま先上がりの難しいショットが残った。
続く5Wでの第2打は、「右の林が嫌でひっかけてしまった」というように無常にも左の小川へ。ドロップして4オンさせるのが精一杯となってしまった。
対して溝渕は確実に2メートルに3オン。3日間好調だったパットの自信もあり、「構えたらすぐに打てた」という迷いのないパットでバーディを決められ、万事休す。
井手口は昨年、地元熊本県で7月に開催されたチャレンジトーナメントのPGMシリーズ・ワールドチャレンジで、梶川剛奨にプレーオフで敗れている。プレーオフ2連敗について井手口は、「ツアーで稼げといっているのかも」と苦笑する。
先週のJCBクラシック仙台で8位タイと、手ごたえのある結果だったので、来週のマンダムルシードよみうりオープンでの活躍も楽しみになった。
井手口は帰り支度を終えると、自家用車のミニバンのハンドルを握り、兵庫に向けて出発した。仙台からは福島、新潟を通過していっきに走り続けるという。そして明日からの2日間はよみうりカントリークラブ近くの練習場で打ち込みの予定。
4月に熊本から出発して自家用車での転戦を続けている井手口。そのタフな精神力と努力がツアーでの結果を導き出すかもしれない。
井手口正一のプロフィールはこちら