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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2007

ゴルフとエコ結びつけたのはこのお2人

伝説のボランティアが今年もやってきた。場内のゴミ回収員として、一昨年前から参加している地元・笠間市の堀江三郎さん、英美さんご夫妻だ。その働きぶりは、初年度からボランティアの域を超えていた。

どんな汚い食べ残しも躊躇しない。ゴミ箱に手を突っ込んで燃えるものと、燃えないものに分ける。スタッフが指示したわけでもないのに、ペットボトルのラベルを丁寧にはがし、フタと本体を分けて捨てる。
作業の合間にも、次々と投げ込まれる残飯を、嫌な顔ひとつせずに仕分けしていく…。

そんなお2人の姿から学ぶことは多かった。
スタッフら自身も、ゴミひとつ捨てるたびに自らの行動を振り返るようになったのだ。
そして、自然と声があがった。
「環境を考えて、ゴミの減量化を図ろう」。
ギャラリープラザの飲食店の食器に可燃製品を使用したり、販売飲料からビン・カン製品を無くしり、ペットボトルの販売を減らし、リサイクルできるオリジナルマグカップやエコバッグを配るようになったり…。

数々のエコ活動も、堀江さん夫妻の仕事ぶりを見てきたからこそ。

そんな地道な取り組みは、確実に成果をあげている。
三郎さんはこの日、ギャラリープラザのゴミ捨て場に来た途端に感じた。
すでに正午時点で昨年より観客動員数が増えている、との情報を聞いていたにもかかわらず、「ゴミの量が確実に減っている」。
ゴミの捨てられ方も、昨年とは格段に違う。
小さな子供たちすら「これ、燃えるゴミかな?」と、弁当に入っていたマヨネーズの袋をわざわざ取り出し、堀江さん夫妻に尋ねてから捨てるのだ。
「きちんと分別されていて作業してても、とてもまとめやすいよね!」と、英美さんも嬉しそうに頷いた。

18番グリーン周辺の作業の合間にチラチラと選手のプレーに目をやって、「ゴルフトーナメントの雰囲気が大好きなんです」と笑う三郎さんは、地元・中学校の先生でもある。

来年は、生徒たちを会場に連れて来ようかとも考えている。
場内での清掃活動は、何よりの課外授業になる。
「ゴルフに、興味を持っている子供もいますしね!」。

ゴルフとエコ運動。
一見、相反する活動がいま、ひとつに実を結びつつある。

今年も堀江さん夫妻ほか、のべ800人を越えるボランティアのみなさんが参加してくださっています。
UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズはみなさまの善意の気持ちに支えられています。