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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2007

この日が41歳の誕生日プロ15年目の柳澤伸祐がホールインワン

2番パー3で、試合では自己初というホールインワンを達成した。実際の距離は193ヤードだが、この日は強烈なアゲンスト。「大目に見て220ヤード」と、握ったのはユーティリティの3番アイアン。
ピン手前3メートルに落ちたボールは、ふいに視界から消えた。

「どこへ転がってしまったんだろう」と思いながら歩いてきて、ようやく入ったんだと気がついた。

スタートの10番ティで、アナウンサーがこんな言い方で選手コールをしてくれた。
「今日は41歳の誕生日!」。
思わずこぼれた照れ笑い。
小さく「ありがとうございます」とつぶやいて出ていった。
まして快挙のオマケ付きに、最高のバースデーになるはずだったのに。

「複雑な気持ちです」と言ってホールアウトしてきた。
最終9番で、第3打がラフと砂地の境目のようなところにあった。
寄せきれず、ピン左10メートルのバーディパットは2メートル残った。
返しも外して、3パットのボギーを打った。

通算7オーバーは、1打足りずに予選落ちだ。

今年から、長嶋茂雄氏が大会名誉会長に就任した今大会。
表彰式にはミスターも来場し、男子ならではのエキサイティングなプレーを見せた選手に「長嶋茂雄賞」として、賞金100万円が贈られることになっている。

アルバトロス1回につき10、ホールインワンが8、イーグルが6、バーディを1ポイントで換算してもっとも高得点を得た選手に与えられる。

小学生時代は野球少年。
まさに王・長嶋時代を過ごした柳澤にとって、今でもミスターは「スーパースター」だ。
予選通過さえしていれば、現時点で同賞の獲得ポイントは8ポントで3位だった。

しかし、せっかくのホールインワンも、決勝に進めなければ水の泡だ。
「もったいない」と、しきりに悔しがった。
「良いのか悪いのか・・・よく分からない誕生日になってしまいました」と、肩を落としてコースを後にした。

柳澤伸祐(やなぎさわしんすけ)
1966年7月13日生まれの41歳。埼玉県出身。
10歳のとき、ゴルフを始める。駿台学園高校卒業後にプロを目指し、93年にツアーデビュー。
しかしこれまでシード権はおろか、長い間、ツアーの出場権すらなかった。
昨年のファイナルQTランク36位で今季ツアー本格参戦。
アビバ所属。