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三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2008
前粟蔵俊太は今度こそ、初賞金
ハーフターンの1番で、今度はバンカーからの脱出に失敗してあえなくダブルボギーとしたが、「今日はカットラインを気にせずに、自分の持ち球でやれば、良いスコアが出ると思っていた」との言葉どおり、この日69は通算2アンダー。
デビュー3戦目は、5位タイでの決勝ラウンド進出に、「せっかくアンダーにしたのだから、チャラにしたくない」との言葉に実感がこもる。
プロ2戦目にして初の予選通過を果たした4月の中日クラウンズ。
しかし、獲得賞金は0円。
最終日の15番。「6」のところをスコアカードに「5」と記入して過少申告で失格した。
沖縄出身の18歳も、いまは東京で一人暮らしだ。
会場には保護者の付き添いもなく、「基本的に最初から最後まで、一人でやりたい。それが自信につながるから」と昨年12月のプロ転向を機に、自立を目指しているだけに、「出来るだけ稼がなければいけないのに4日間プレーした意味もなくなって、むしろマイナス。さすがにショックで…。帰りもずっとボ〜っとしたままだった」と、振り返る。
以来、スコア提出には今まで以上に慎重になった。
自分で何回も見直した上に、スタッフにカードを差し出し「これでいいですかね」と、確認する徹底ぶりだ。
いきなり浴びたプロの洗礼も、「早いうちに経験して良かった」と、いまではすっかり立ち直り、先週のチャレンジトーナメント「有田東急 JGTOチャレンジ I 」では初日首位。
最終日に最終組で回ったことが、追い風になっている。
「今週は、それをバネにして頑張ろう、と」。
良かったことも、悪かったことも、すべて肥やしに自身2度目の決勝ラウンド進出は、初優勝も狙える位置だ。
移動の便を考えて、7月に短期合宿で車の免許を取る予定。
今大会の副賞は三菱自動車「デリカD:5」だ。
「…勝てば、ついてきますね」と、いつも折り目正しい選手が珍しく冗談めかして笑った。