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ANAオープン 2008
ハッピーバースデー遼!!
「お誕生日おめでとう!」。
戸惑いを感じるのはこんなときだ。
「自分のことを知っている人が、これだけいるんだな、と・・・」。
コースで目の前の1打に集中しているときにはそれほど感じない、自分を注目する人々の無数の視線。
その多さをこの日17日に、改めて知らされた。
「今までの何百倍もの人にお祝いしてもらって、さすがに17歳になった実感が出てきた」と、はにかんだ。
そして、プロアマトーナメントのあと、さらなるサプライズが待っていた。
表彰式のあとで、大会主催のANAから贈られたのは年齢にちなみ、輪厚の17番ホールをかたどった特製のケーキ。
ろうそくを吹き消して、キャビンアテンダントのみなさんから大きな花束を受け取ったが、それで終わりではなかった。
今度は報道陣のみなさんから石川の似顔絵をかたどった誕生日ケーキと、北海道にちなんで17本のとうもろこしが贈られた。
抱えきれないほどのプレゼントを前に、怒濤の1年を振り返る。
石川はいう。「16歳は、分かれ道だったが後悔はしていない」。
1月5日にプロ転向。「ゴルフ人生で、一番の決断をした」。
それは同時に「社会人になるということ。社会で通用する選手にならなければと思った」と当時の心境を話した石川に、この日のプロアマ戦でチームを組んだこの日のプロアマ戦でチームを組んだ大橋洋二・ANA取締役会長が合格点だ。
「今日、一緒に回らせてもらって分かったことは、彼が素晴らしいのはゴルフだけじゃなく、その礼儀正しさ。人の話を目を輝かせて聞く姿勢」。
これからも人として大きく成長してほしいとメッセージを贈った大橋氏に、17歳が大きく頷く。
それは、選手としてももちろんそうだ。
「この1年間、アマチュアのままでは考えられない試合数を経験して、成長できたから」という石川は、賞金ランキングによるシード権もほぼ手中にし、次の目標も見えてきた。
「これからは、もっともっと優勝争いがしたい」。
その思いを友人のメールが後押しする。
お祝いの言葉のあとに綴られたのは、彼ら自身の思い。
「いつか、追いついてやるからな」。
彼らにとって「僕は目標ではなく、勝ちたい相手。一緒に戦いたい相手なんです」。
いまはまだアマチュアで活躍する友人たちにライバル心をむき出されて改めて痛感する。
「プロになってからが勝負なんです。父は、プロになって抜かされる可能性もある、と」。
だから、一足先んじた今は、出来るだけ水をあけて彼らを待ちたい。
ひとつ年を重ね、改めて踏み出す第1歩はデビューの今年、スポンサー契約を結んだホスト試合だ。
17歳、最初のトーナメントは「スタートダッシュが大切だから。思いっきりいって、関西オープンのようなスタートを切りたい」。
8月に、プロ初優勝をあげたツアー外競技を引き合いに豊富を語った。