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サン・クロレラ クラシック 2008

ドンファンが単独首位

早朝から降りしきる横殴りの雨に、ついにアンダーパーは一人だけになった。平均ストローク77.079は、今季もっとも難しい1日をイーブンパーでしのぎ、通算1アンダーで単独首位に立ったのはドンファン。本名はドンファン・リー。この日のムービングデーはレインウェアの下に、母国・韓国の国旗をモチーフにしたド派手なポロシャツで気合いを入れたが、スタートの1番でいきなりダブルボギーを打った。

ティショットがヒールに当たって「シャンクした」。
右の林に打ち込んで、ひとまず脱出を試みたが、刻んだ第2打はフェアウェイにすら届かず、再びラフからの第3打は右のカラーへ。

そこから3パットを打ったが、「まだ残りホールはたくさんあるから。戻せるチャンスはいっぱいある」。

即座に気持ちを切り替えることが出来たのは、この人の存在が大きい。
サイモン・コリンズさん。
ツアーでも有数の腕利きのプロキャディだが、今年は春先にロングバケーションを取って、しばらく日本はお休みしていた。

そんなコリンズさんから電話がかかってきたのは先月末。
ちょうどキャディを捜していたドンファンは大喜びで、先週のセガサミーカップから仕事を依頼した。
「サイモンさんは、ジャッジが完璧で。コンビを組んで大正解ですよ」。
素直な感想に、かたわらの相棒は、満足そうにニヤリと笑って親指を立ててみせた。

難コンディションを前にして「僕は谷原さんのマーカーだったのに、途中から宮本さんのスコアをつけていた」。それほどに混乱を極めたラウンドも、サイモンさんのアシストで「よく我慢が出来ました」。

出だしの躓きも即座に軌道修正し、強風の対応もほぼ完璧だった。
昨年、初出場を果たした全英オープンで学んだ。
「トップにいる選手はみんな、大きめのクラブで風とケンカさせてグリーンに乗せている」。
今年は、あと一息でかの地への2枚目の切符を逃したが、夜中のテレビ観戦で確信したという。

「この3日間やってきたことを、最終日こそ生かして勝ちます」。
力強く言い切った。


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