Tournament article
ブリヂストンオープン 2009
2週連続Vがかかった小田龍一は
果敢にグリーンを狙って池に入れた最終18番で披露したウォーターショットは、靴と靴下まで脱いでトライするのは初めての経験だった。
「上手くいくかどうか…」。
いちかばちかで思い切って振り抜いたショットは見事に脱出。
拍手と大歓声に、靴を履き直すのもそっちのけで、サンバイザーを取って、何度も何度も頭を下げる様子は相変わらずの腰の低さだ。
「ギャラリーの歓声が“あぁ…”じゃなくて“おぉ”でほんとうに良かったです」。
胸をほっとなで下ろしつつ、同時にちょっぴり反省も。
ツアーきっての飛ばし屋は、先週の快挙達成以来、「曲がってもいい、と開き直りで打っている」。それが、奏功して栄冠を手にしたのも確かだが、2週連続で優勝争いを戦って、痛感した。
「開き直りだけじゃダメなんだな、と」。
3日目までは、無欲だったがチャンスを目前にして、やはりこの日は「結果を求めていたと思う」。
そうやって意識して勝ちに行くには開き直りだけでは限界があって、「ちゃんと練習をして、基本を作らないといけない」と、改めて思い直したという。
一躍ファンの注目を集め、行くところ常に声援に包まれてのラウンドに、初優勝の翌週は慣れないことの連続だったがそれも本人が自覚しているように、「誰もが通る道」だ。
謙虚な姿勢は好ましいが、そのためにゴルフに支障をきたすようでは本末転倒。「そういうことにも、だんだんに慣れていきたいです」。
そういう経験の数々が、選手を大きく成長させていく。