17番パー４で、「右だけは絶対にダメだ」。そう思ってティグラウンドに立ったのだが、そう思えば思うほど、吸い寄せられてしまうものだ。
「案の定、右へ……」。
ＯＢを打って、ダブルボギーだ。

通算３オーバーは、その時点で予選通過は微妙な位置。
ディフェンディングチャンピオンが、２日間でコースを去る失態は絶対に避けたい。
しかし、絶体絶命のピンチもなぜか星野は冷静だった。

今季、一度も予選落ちなし。
「どんなに初日が悪くても、後半まくってなんとかなってる。最近、上がりホールがいつも良くて。なんだかんだ言って、結局いつも通ってるから」。

とはいえまさか、入るとは思わなかった。
最終18番で、右から８メートルのバーディチャンスをねじこんだ。
通算２オーバーにして、週末につなげた。
「レベルの低いゴルフだけれど･･･」と苦笑して「アイアンはまあまあ、パットも良かったし、あとはティショットだけなんとかなれば」。

目標の連覇は少し厳しいが、「やれるだけやります」。
気合いを入れ直した。